1ヶ月振りに静香と会えた三郎は、
この瞬間を心ゆくまで堪能しようと決めていた。
静香に上から下までゆっくり見つめられ、官能的な気分を味わった。
静香は、口元をほころばせた。「すばらしいわ、三郎君」
三郎は、この瞬間が永遠であればと願った。
今、静香の関心は三郎に集中していた。
胸が高鳴り、静香を見つめかえすことができない。
痩せることで自信がつくと真奈美は言ったが、
女性にうぶなところまで変身できるわけではないことをこの時思い知った。
じきに慣れるさと自分に言い聞かせ、静香のさらなる賞賛を待った。
しかし、静香が三郎へ放った一言は、
賞賛ではあったが奈落の底へ突き落とすに充分なものだった。
一方、傷心の真奈美は、三郎に何も告げないまま、
成田空港で出国手続きを進めていた。
(つづく)