三郎は、真奈美に連れられ、彼女の所属するモデル事務所にいた。
事務所への挨拶とダイエットモニターによくある、
ダイエット前写真の撮影を兼ねていた。
三郎は、華やかな世界に圧倒されるかと思っていたが、
ただの事務所だと分かり拍子抜けした。
しかし、この日、三郎は権藤静香と運命的に出会ったのだった。
静香は、若くしてモデル兼事務所社長という肩書きをもっていた。
三郎は、これまで年下ばかりに恋愛してきた(しかも片思いばかり)ことを恥ずかしく感じてしまった。
静香は、切れ長の目やうすい唇が、
面長な輪郭と長い黒髪をより印象的に感じさせる、
オトナの雰囲気を醸し出した女性だった。
静香の隣にいる真奈美の意志の強そうな瞳や小さな顔が、
より引き立てているように三郎は感じた。
真奈美にそれを悟られないよう必死に話を聞いていたが、
静香に見つめられるとすべてを見透かされているようで赤面した。
これがメタボリック人生初の、一目惚れする瞬間だった。
三郎は、静香の期待に応えたい一心に、
叶わぬ片思いをしている真奈美に支えられ、
ダイエットに励むこととなったのである。
(つづく)