何度もいうが、私はお金なんてない。
持つ必要はないんだ。
お腹がすけば、畑や海へ出向く。
取れたての野菜や魚を収穫し調理することは、
男やもめの私には朝飯前だ。
住まいは、親から譲り受けた家があるが、
親切な女性の家に泊まらせていただくとか、住所不定を長く続けている。
独身だが、女性には不自由ないんだ。
これでも、もてるのでね。
身綺麗だって?
衣服も頂き物だし、長い間帰っていないね。
あの日も、そう、畑に向かっていたんだが、
ふと都会に出向きたくなった。
そんなときはヒッチハイクに限るんだ。
乗り心地よさそうな高級車に乗ってね、いろんな話をする。
運転している人を気に入ったら、ヒッチハイクするんだ。
え?
だから、何度も言わせないでほしい。
私がヒッチハイクするのは、車じゃない。
人そのもの
なんだ。
何度もいうが、お金なんていらない。
ヒッチハイクすれば、
その人が持ってるお金を手に入れることができるんだから。
あのね、人に話を聞くときは、きちんと耳を傾けてほしい。
ちゃんと聞いてくれないか。
聞いてくれないなら、私が君にヒッチハイクしてもいいんだよ
ほらこんな風に。