久遠真也が余命半年を宣告されてから半年がたった。
彼は平凡な会社の一課長だった。
人柄がよく、彼を慕う部下は多くいた。
会社勤めはあと20年ある。体が資本だからと人間ドックを受診したのが運のつきだった。
少年が念じただけでカルテが山中とすり替えられ、人生が大きく変わってしまった。
ただの脂肪肝の久遠は、医師に癌の説明をされ、混乱状態となり病院を飛び出した。
病院と会社から離れ、山の中で余生を過ごしたかったのだ。
半年たった今もなお、生きている。
あなたも、青樹ヶ原にいけば、俗世間から離れ、ほぼ野生化した彼を見ることができるかもしれない。
一方の山中は、出会った看護士と結婚してから半年後、幸せの絶頂期に死亡した。
看護士の愛も、彼の寿命を伸ばすことはできなかったようだ。
しかし、一番運命が変わったのはあなたかもしれない。
あなた、あの少年と話してしまったんですよね?
彼があなたの健康を気遣うということは、
今、少年は、あなたの運命を変えようとしているのだから。
「きみには健康でいてもらわないとね」
了