こんなグルっぽを作ってしまうくらい、僕は食べることが好きだ。
料理もするし、友達に振る舞って「美味しい」の一言をもらえるのが好きだから、たびたびホームパーティーもやっている。
あくせく働くのが嫌になり、脱サラして居酒屋をやりたいと思っていた。
そのためには、居酒屋チェーン店で働いてみて、仕入れルートやノウハウなどを勉強したいと思って、
転職活動をしていたころがある。
まだ二十代、青かったんです。
いっぱしにやれると信じていたあの頃。
僕は仕事で感謝されることに飢えていて、笑顔が見られる商売を夢見ていた。
そう、子供たちの笑顔を守るために、ジオンから抜け出して島で暮らすククルス・ドアンのように。
ククルス・ドアンと僕の違いは、覚悟だと思う。
彼は子供たちの両親を殺害してしまった悔悟から、子供たちを守ってみせると固く誓っていた。
対して僕は甘っちょろい考えで、脱サラを夢物語にして現実逃避していただけのこと。
居酒屋なんて、開業するのはカンタンかもだが、続けるのは大変厳しい世界だ。
覚悟のなかった僕はそれを面接官に見抜かれ、思い知らされた。
僕は昔から、甘っちょろい奴だったのだ。
今転職活動をしていて思うのは、次の会社でずっとやっていく覚悟があるか?ということ。
逃避しても、逃避先で同じ壁にあたるのであれば、今踏ん張らないといけない。
転職がさらに自分を追い込んでしまうだけなのだから。
