散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久かるべき
これは、桜は散るからこそ美しい。この世に永遠なんてない、だからこそ、この一瞬を愛でよう。
と詠まれたものである。
古より桜は人々の心を惹き付けて離さない。
一瞬にして咲き、散っていく。
武士と桜を同一視して、いることをよく目にする。
己の信ずる道の為のみに歩み、刀に自らを宿す。それは己の身すら顧みずに。
そして、自分の信ずるものの為に散ることを善とする。
その散り様はまるで桜のようだと。
永遠なんてこの世には存在し難い。だからこそ、一瞬にして咲き散る桜の花びらは人々に鮮烈な印象を残す。
そして、また必ず咲く桜を人々は、待ちわびる。