駅でしばらく、二人で話をした。

けど、それで帰るのがもったいなくて、もっと一緒にいたいと強く思った。


先輩から、もう少し飲もうと提案され、喜んだ。


二人で居酒屋に入り、また色々な話をした。


わたしは数ヵ月後に異動が決まっていた。

それについて、寂しくなると先輩は言った。

最近はわたしが不安定なので、心配だとも言った。

支えてあげたいと思ったと。

わたしが他の社員と話しているのを見ると、いい気がしないということも…。


そんなもろもろの話が、わたしをドキドキさせた。

先輩の意図は、わたしが思っていることと合っているんだろうか?


わたしの気持ちは、もう早い段階で、先輩に向いていた。


わたしの苦しさに気付いてくれ、そばにいてくれた。

わたしをかばってくれたことも、何度もあった。

その行為ひとつひとつが、わたしの支えになっていた。


先輩がいたから、わたしは仕事で、他の人に弱音を吐かず、がんばり続けられた。

全部、先輩のおかげだった。


先輩は、わたしが先輩にだけ、弱みを見せていたことも知っていたと思う。

自分が一番、わたしに近くて、頼られている存在であるということも、誇らしかったと言っていた。

初めて出会ったときから、わたしは先輩に頼り続けていたんだと今は思う。


そして先輩は聴いた。


付き合うか、と。