前の仕事のことを思い出すとき、先輩は常に近くにいる。

先輩との仕事が、あまりにも印象が強く、忘れられない。


雨の日にひたすら外を回ったこと。

橋の上で話していたこと。

指導してくれている人からのアプローチに困って相談したこと。

大きな仕事。

小さな仕事。

室内での仕事。

負けたくないと、色々努力していたときのこと。


あれが現実だったのに、別の仕事についた今となっては、不思議な空間にいたように思う。


怖いこともたくさんあった。

大変なことも。

落ち込むことも。


でも仕事が好きだった。

あの職場で過ごしたのはほんの少しだったけれど、人生の上で、あんなに濃密な時間はないような気がする。


全てをかけて、仕事をしていた。仕事を愛していた。