“暑さ寒さも彼岸まで”の言葉通り今週に入ってからは日増しに秋の深まりを肌身に感じながら、私の服装も「コットン」や「リネン」素材を終了させて「シャークスキン」や「サージ」素材のスーツへと移行し始め、それに伴ってネクタイを締めての通勤が３ヶ月ぶりに復活させようとしているところで、このまま爽やかな秋へと順調に移行してくれるのを願いつつ、来週からは１０月に突入するし、そろそろ起毛タイプの「フランネル」素材の出番が近づいているので、まずは軽量３００ｇの「スーパー１８０‘ｓ」のグレンチェックとチョークストライプからスタートさせようかと、着々と準備を進めながら秋冬へと気分を高めているところです。
このスリーピース・スーツをお借りした方は、今年の５月に紹介させていただいた「グレンチェックのダブルブレスト」（http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/53728520.html）の時にも書いていますが、２００６年の９月からお付合いをさせていただいている中で、毎回ながらタイミングよくお値打ち価格コレクションと出会い、昨年の冬はハイレベルなアイテムの「カシミアのポロコート」まで作り、今年の春夏はグレンチェックと念願の「アイリッシュリネン」を加えられ、ちょっとハイペースな流れの中で、今年の冬は前々から構想を練っていた「ガンクラブチェック」柄で、クラシックでエレガントなカントリースタイルの「ピンチバックモデル」でと、念願のツイードでのスリーピース・スーツを作ることになりました。
この素材は、この方が３年前に作っているジャケットと私が今シーズン作った「ウインドウペインのスリーピース」と同じ、カントリー服地を代表するスコットランドの生地メーカー“ＬＯＶＡＴ”社の、一番人気の“ＫＩＲＫＴＯＮ ＴＷＥＥＤ”ブックの中から選んだ「ガンクラブチェック」で、なかなか気に入った配色やチェックの大きさに出会うのが難しい柄の中で、この方の雰囲気にマッチした絶妙な配色は、それぞれ単品としても使いつつ利用範囲を広げた色々なコーディネイトも楽しみながら、クラシックでエレガントなカントリースタイルで冬シーズンを満喫させてくれる優れものの素材ではないでしょうか。
モデルは、弊社で一番スタンダードな「ＲＥＳＺ」（ローマンにイングリッシュ）を使い、シングル３ツ釦段返り、ピンタック入りの４ポケットでよりスポーティーさを強調し、インバーテッドプリーツのピンチバック、センターベンツで、クラシックに襟付きのウエストコートを加え、スラックスはサスペンダー釦付きの１プリーツにして、スラックスも含め「ハンドメイド仕様」ならではの総片返しで６mmのハンドステッチを施しています。
今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、今シーズン新入荷のペーズリー柄のジャカードタイを締めて、小紋プリントのポケットチーフをスクエアーに飾り、靴は「天神山オリジナル」で作成したスエードフルブローグで決まりですね。
前にも書いていますが、スーツスタイルがほぼ完成し紳士服飾も一気に華開いた時代１９３０年代に大流行した「ピンチバックモデル」は、「天神山流」でしつこく提案し続けているクラシックでエレガントなカジュアルスタイルには欠かせないアイテムとして、春夏シーズンでは麻素材を中心にヘリンボーンや千鳥格子柄で、冬シーズンはフランネルやツイード素材のチェック柄を中心に相性の良い素材で提案していますが、近年のカジュアル化傾向でか大柄チェックの種類は増えているのに、今回のような絶妙な配色とバランスの「ガンクラブチェック」や「千鳥格子」が以外と少ないのが現状で、今後に期待しつつ私自身も来冬シーズンは「ピンチバックモデル」のスリーピース・スーツに挑戦したいと思っているところです。
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