「2013年秋冬商品」第1回目の紹介です。
毎年恒例になってきている夏本番が始まる前に早目の秋冬シーズンの商品紹介をと思いながら、昨年を見返してみると、なんと2年連続で6月の半ばからの異例に早いスタートで、今回は平年に戻りつつも初っ端から真冬用の「フランネル」素材の「グレンチェック」柄で作製したスリーピース・スーツからのスタートとなりました。
早くも1年の折り返し7月に突入し、梅雨も雨量が多くなってくる後半戦に突入するかと思ったら、都心では先週水曜日の久し振りに本降りの雨の一日から1週間まとまった雨が降らず、じわじわと暑さも増しつつ明日からは気温も一気に30度越えの真夏日が続きそうで、暑がりで異常な汗かきの私は店では上着を羽織れない毎日が続きダラシナイスタイルへと突入しつつも、辛うじてネクタイだけは締めて少しでも服飾業界らしく見えるように心掛けているところです。
このスリーピース・スーツをお借りした方は、ビジネススタイルのアイテムを揃えていただきながら5年前からのお付合いで、2年前の夏シーズンにはカジュアルスタイル用として作った「ギンガムチェックのシアサッカー」(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/52052565.html)のスーツを協力していただいていて、2月に移転に伴う“在庫一掃セール”で「グレーフランネル」のスリーピースを作られ、3月の“移転記念キャンペーン”でこれから始まる夏物は会社より上着着用禁止令がでた為に夏用はパスして、以前よりいずれは作ろうと思っていたこの「グレンチェック」を生地在庫があるうちにと言うことでお作りいただきました。
この素材は、2007年から秋冬シーズンになるとしつこくおすすめしていて、私自身も2008年から2年連続で作っている、イギリスの生地メーカー「Martin sons」社の目付けのしっかりとした400/430gの「フランネル」で、梳毛素材のグレンチェックに比べ霜降りが強く、紡毛フランネルならではの柔らかい風合いとハッキリしない柄の出方が魅力で、近年の温暖化及び軽量化傾向の生地コレクションの中では、「天神山流」の提案には無くてはならない貴重な「フランネル」コレクションの一つではないでしょうか。
モデルは、胸幅や肩幅の狭いこの方がいつも使っている「LSCS」(リスコ)にはシングルピークドラペル・モデルがない為に、「RCSZ」(ローマンイングリッシュ)を使い、シングル3ツ釦段返り、スラントチェンジポケットを付けたサイドベンツにして、クラシックに襟付きのウエストコートを加え、スラックスはサスペンダー釦を付けた1プリーツにしています。
今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、スタンダードに紺×白の水玉のネクタイを締めて、ペーズリーのポケットチーフをスクエアーに飾り、靴は私のお気に入り「古いアメリカ靴」のフルブローグでいかがですか。
昨年「2012年の秋冬商品」第1回目の紹介の時に、意識的に早くスタートさせた理由として、欧州不況の影響を受け弊店「TENJINYAMA」が提案し続けているこだわりの高品質な生地コレクションの減少傾向や、円高で解消され続けている低価格もそろそろ限界が近づいている感じながらと書きつつも、なんとか1年はもってくれましたが、昨年秋の政権交代後の“アベノミクス”の影響を受け円安が加速して輸入品が高騰し、この業界も原毛や輸入生地の値上りを避けられなくなりそうな状況になりました。
このまま2013年秋冬シーズンに突入すると一気に価格が跳ね上がりそうですので、今回紹介の「グレンチェック」を含め昨年からの継続生地コレクションを中心に“早期受注会キャンペーン”を、新着が揃い始める前の7月末までの期間で行なうことにいたしました。
盛夏用の仕込みが終わった方は秋冬へと気持ちを切り替えて、昨年後半に加わった「アルパカのポロコート」や、私自身がやっと作って近々出来上がってくる「チェビオットツイードのスリーピース」、昨年久々に登場し好評だった「フォックスブラザースのフランネル」等々、2013年秋冬に向けて今年こそは早目の準備をおすすめします。
弊店「TENJINYAMA」のHPが更新できない為、銀座2丁目の新店舗の住所と休業日のお知らせをこちらでさせていただきます。
〒104-0061 東京都中央区銀座2-4-1 銀楽ビルディング4F
(銀座並木通り2丁目の角のビルで1Fの“J.FERRY MEN”が目印です)
TEL 03-6228-7321
7月7日(日)、14日(日)、15日(月祭)、21日(日)、28日(日) をお休みさせていただきます。