スパンカシミアのブレザー | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今年初めてのブログの書き込みです。
今年も一年間、お付き合いよろしくお願いいたします。

今回「2012年春夏商品」の第1回目の紹介は、ちょっと贅沢な素材「スパンカシミア」で作製した、ダブルブレストのブレザーです。

昨年のクリスマス前から厳しい寒さが続いていて、今年の冬はいつも以上に寒さが身に凍みると感じながら、先週6日の“小寒”を過ぎて一年で一番寒い時期に突入し本日は今季一番の厳しい冷え込みを記録して、暑がりで寒がりの変な体質の私の服装は、厚手のフランネルとツイード素材に完全に移行し、重ためのオーバーコートを羽織ってカシミアライニングのペッカリーの手袋とカシミアマフラーが手放せない、身も心も温まる防寒スタイルで2012年をスタートしています。

このダブルブレストのブレザーは、年齢と共に身体に負担の少ない軽く柔らかいものが好きになってきた私が選んだ今シーズンの1着で、近年の四季が崩れ春と秋の中間の陽気がなくなりつつある、まだ寒さが身に凍みる3~4月始めの春先用にと作製したもので、春用の「シャークスキン」のスリーピース・スーツは2色あるしと思いつつ、無難でオールマイティーなサージのブレザーを加えようと考えながら、ちょっと贅沢だけど「メイド イン ジャパン」ならではの高品質とリーズナブルな価格帯にひかれ作ることにしました。

この素材は、最近の輸入生地に魅力がなくなってきている中で、他では見かけない「キヴィアック」「ポッサム」など高品質コレクションの数々を生み出している「三星毛糸」社の自信作の一つで、世界で最も繊維の細い内蒙古のホワイトカシミアを使用し、糸を強く撚ることで柔らかさと強さを両立させた「スパンカシミア」で、300gの程よい重さとしっとり感は、寒さが残る3月始めから春の気分の先取りには、適した素材ではないでしょうか。

スラックスも同素材で作ろうと思いましたが、丈夫さを重視して同じ「三星毛糸」社のスーパー120‘sのサージにしましたので、よくある生地ですので丈夫さや履き易さを試していければと思っています。

モデルは、昨年の夏から私も試し始めてお気に入りの、弊社が扱っているモデルの中で一番クラシックなゴージラインが低く幅広の襟が特徴の「RCSZ」(ローマンクラシック)を使い、カシミア素材を意識してプレーンなシルバーのメタル釦を付け、6ツ釦2ツ掛けのダブルブレストで、チェンジポケット付きのサイドベンツにして、スラックスはスタンダードに2プリーツで、スラックスも含め「ハンドメイド仕様」ならではの総片返しハンドステッチを入れています。

今回のコーディネイトは、いつも使っているラウンドカラーのクレリックシャツに、ウール&シルクのグレンチェックのネクタイを締めて、ペーズリーのポケットチーフを華やかに挿して、オーソドックスにミディアムダークのスラックスを合わせ、靴は28年前に購入した「Church‘s」社製「信濃屋別注」のブルースエードで決まりですね。

2月を過ぎたあたりから春夏用の新着生地が続々と揃い始めますが、前にも書いているように、ウール素材だと「フレスコ」「モヘア混紡」、強撚糸の「トロピカル」など夏向きの素材が中心になり、今回のようなサージやシャークスキンなどの種類が少なく殆んど見本から無くなってしまうので、夏以外のオールシーズン用として種類が揃っている秋冬用の生地ブックが使える今の時期に春用として作られることをおすすめします。

さっきも書きましたが、近年の四季が崩れ冬から春を飛び越して夏になってしまう変な陽気の移り変わりの中で、夏物をビシッと着ようとすると暑すぎて着れなくなるか、何だか意味の分からない「スーパークールビズ」がスタートしてカジュアル化が進んでいて羽織りたくなくなる夏用は段々と必要が無くなるのではないかと思われる現状の中で、何故か夏用をメインにしたスーツ生地サンプルばかりが多いのに矛盾を感じています。