今回は、最近では生地の種類が少なくなったと感じる「ギャバジン」を使った、スリーピース・スーツの紹介です。
立秋を境にジリジリと日差しが強く高温注意報が続いていた最中から昨日までちょっと長い夏期休暇をいただき、体調と気分もスッキリとリフレッシュさせていただいた私ですが、厳しい残暑(予報では本日まで)が続きそうな陽気の中で、新着の秋冬生地が続々と入荷してきてスッキリと秋冬へと移行させたい気分になりながら、いつまで続くか麻シャツに頼る自分が情けなく感じています。
このスリーピース・スーツをお借りした方は、私が「信濃屋銀座店」にいた時に出会ってから20年と長いお付き合いで、今は遠く長崎から年に2回のペースで「天神山流」の提案にも飽きずにお付き合いいただいていて、今回は夏用として今まで作っていなかった茶色のストライプ・スーツを作り、シャツ&ポケットチーフなどの小物も加え今回の買い物を終え帰られたのですが、前回のブログでちょこっと紹介している、6月後半から生地見本が届いた「CARLO BARBERA」社のお値打価格コレクションを夏物と共に紹介しながら、希少価値の高い「ギャバジン」素材を秋口用にとおすすめしたところ、夏用のスーツを優先させると言うことで一度は諦めたのですが、帰られてからお電話でお届けの時期をずらすことで納得していただき、作ることになりました。
最近、あまり見かけない素材の「ウールギャバジン」は、2008年の7月に同じピークドラペルで作った紺色のスリーピース・スーツ(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/43229895.html)で紹介していて、この時の素材も偶然「CARLO BARBERA」社で、打ち込みがしっかりしていて艶があり、更にしっとり感がある「バルベラ」ならではの素材で、この出来上がったベージュ色を見ていると、やっぱり「ギャバジン」はブラウン系かオリーブ系の色のほうが、素材の魅力を引き出さしてくれることを感じさせられます。
モデルは、この方がいつも使っている弊店では一番スタンダードな「RESZ」(ローマンイングリッシュ)で、ピークドラペルの3ツ釦段返り、フラップポケットのサイドベンツで、ウエストコートはクラシックなイメージを強調し襟付きにして、スラックスは最近の流行でなぜか見かけなくなってきた2プリーツで、「天神山流」のスタンダード・スタイルを試していただいています。
今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、クラシックにストライプの蝶タイを締めて、お気に入りのペーズリーのポケットチーフを華やかに挿して、靴はお借りしている「古いアメリカ靴」の中から「FLORSHEIM」社のキャップトウで決まりですね。
8月16日(火)に更新された「シナノヤスタイル」(http://www.y-shinanoya.co.jp/s_style110816.html)の「白井さん」の写真を見させていただきましたが、着ていたスーツ(今回は真夏なのでウエストコートなし)が、同じ3ツ釦のピークドラペルの「ギャバジン」でしたので、ちょっと掲載&コーディネイトを今回は意識してしまいました。
前回も書きましたが、「CARLO BARBERA」社のお値打価格コレクションが7月末には秋冬物も追加で加わり、今回紹介しているギャバジンを始め「バルベラ」らしい配色や素材感のものが数多く揃っている中で、貴重なカシミア100%からシルク混紡の超お買得な素材も混ざっていて、魅力のある生地を在庫限りにてご用意していますので、お早めにご覧になられてはいかがですか。
8月21日(日)は、横浜元町へお手伝いに行きます。
「信濃屋」ならではの新着「アットリーニ」の秋冬コレクションを見させていただくを楽しみにしています。