オリジナルシューズ 14回目 | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、「天神山オリジナルシューズ」新作の「キャップトウ」「コンビネーション」の紹介です。

この2足を作製したきっかけは、5月より店頭に展示しながら紹介させていただいている「本格靴コレクター・おじおじの日記」http://daiseike.seesaa.net/)さんの貴重な「古いアメリカ靴」コレクションを毎日見させていただきながら、今ではお目にかかれない高品質な甲革と細かいステッチワークなどレベルの高い縫製技術に加え、なんともいえないエレガントなフォルムに魅せられ、作りたい気持ちを抑えきれず予定より早目の作製となりました。

上の写真の「キャップトウ」は、私が前回作った「コンビネーション・シューズ」に続き早くも5足目の作製になってしまったもので、昨年9月に紹介しているボルドー色と今年の3月にダークブラウン色の「クオーターブローグ」の出来上がりを見ながら次はスーツスタイルには合わせやすいストレートチップ・モデルを作ろうと思いつつ、今持っている「シルヴァーノ ラッタンジ」のキャップトウはサイズが合っていないしと、秋冬用から春先までのちゃんとした着こなしには活用が多くなるしと、作るのがちょっと速いペースになっている自分に言い聞かせながらの作製で、甲革は安定した品質で評価の高いフランスの有名タンナー「アノネイ」社の限りなく黒に近い濃茶を使い、サイズは前回のコンビネーションが少し小さ目だった為、今回は前回までの幅広タイプに戻し履き込み口を全体に狭くしてもらいました。

今回、新しく加わった「キャップトウ」モデルは、「古いアメリカ靴」コレクションの中の「FLORSHEIM」を参考にキャップのブローギングを小さめにし、レース脇のステッチを2重にして、今回のコバの張り出しは中位でコバのステッチ色を白ではなく新しく加えた生成りステッチにしています。

今までと同じ方向から写真を撮ったら、あまりにも私の足癖の悪い幅広が目立ちバランスが悪く見えたので、今回は「hiroさん」http://blogs.yahoo.co.jp/hiro716630anna)の意見を参考に撮らせていただきました。

因みに、「ひと日記」http://blog.goo.ne.jp/hito0815)さんの「白井さんの着こなし」ブログの靴だけをもう一度見返しながら気付いたことが、「キャップトウ」の靴を合わせているのが圧倒的に多かったので、なぜかと本人に確認したところ、クラシックなイタリア製の洋服を着始めた1980年頃から徐々に増えていったとのことで、それ以前はアメリカンのウイングチップが多かったと言っていましたが、私と同じで合わないものはどんどん処分されている「白井さん」が試してきた靴と共に洋服のストーリーが少し見えてきたような気がします。

下の写真の「コンビネーション・シューズ」は、弊社オーナーが店頭に展示してある「古いアメリカ靴」の中で一番お気に入りの「NUNN BUSH」社のスムースレザーとナイロンメッシュのコンビネーションを見ながら、なんとも言えないエレガントなフォルムに魅了され思わず作ることになったもので、ナイロンメッシュがない為に厚手の「グラニュウラリネン」素材を使用し、サンプルとして現物を靴工房へ送り、まったく同じようにと依頼して出来上がってきたものです。

写真で分かりやすいようにとサンプルに使ったもの(右)と並べて撮りましたが、ラストが違うのでトウシェイプに弱冠の違いがある中で、他のバランスは忠実に合わせてもらいながら、手間のかかるライニングの縫製仕様なども同じように仕上げてもらい、アメリカの「旧き良き時代」の華々しい雰囲気を限りなく再現することができました。

4月に紹介しているUチップで作ったスムースレザーとスエードのコンビネーションと同じようにも見えますが、Uチップの形状が微妙に異なるのと、レースの所のステッチ幅を細くしたことによって全体に柔らかいイメージが増しています。

今後は他ではあまり見かけないクラシックモデルの「Uチップ」2モデルを使って、作る方の足型やお好みに合わせて、弊店「TENJINYAMA」が提案し続けているエレガントでクラシックなスタイルの洋服と共にアピールしていけたらと思っています。

それでは、次回の新作の紹介をお楽しみに…