オリジナルシューズ 7回目 | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、弊店「TENJINYAMA」オリジナルシューズで、前回予告した新モデル「Uチップ」「ローファー」の紹介です。

4月は天候不順で真冬に戻った寒さから春らしさを感じないままゴールデンウイークを境に一気に初夏の汗ばむ陽気になり、夏物へと衣替えをした休み明けから軽い素材で明るい色の組み合わせを意識した装いになりましたが、開店前の掃除をする為に上着を脱ぐとそのまま着れない状態が続き帰りまで下着姿のシャツスタイルになってしまうというダラシナさに反省しているところです。

上の写真のUチップが、「おじおじさん」にお借りしている「旧き良き時代のアメリカ靴」http://daiseike.seesaa.net/article/133693798.html)と、2004年の6月に「白井さん」と一緒にイギリスに行った時に撮った「ヘンリーマックスウェル」の写真を参考にして作ったものですが、指示ミスで真鍮の外鳩目になっていていなかったので同じ革で作ったウイングチップをお借りして外鳩目の見本として左に並べさせていただきました。

このウイングチップをオーダーされた「hiroさん」が1足目を気に入っていただいて(http://blogs.yahoo.co.jp/hiro716630anna/12160831.html)の2足目のオーダーで、ご依頼当初は「ひと日記さん」が以前紹介している私がお譲りした外鳩目付きの「ラッタンジのフルブローグ」http://blog.goo.ne.jp/hito0815/e/1e463fcaa3c8f0150cad3c08c80d30cb)を見て明るめの茶色の要望だったのですが、革見本で用意していたフランスの有名タンナー「デュプイ」社と「アノネイ」社のと革質を比べた結果で今回選んだ「アノネイ社」の中茶色は、ソールの木地仕上げと生成りのコバステッチと真鍮の外鳩目との色のバランスが絶妙にマッチして、思っていた以上の良い仕上がりになりました。

下の写真が、私が20年振りに念願かなって作製した履きこみ口の狭いタイプの「ローファー」で、以前にも書きましたが、増え続けた体重を支える為に長さと甲の高さが変わらないまま幅(ウィズ)だけが広がってしまい靴のサイズが25.5cmと1cm以上大きくなった為に「ボノーラのモンクストラップ」以外はひも靴しか履けなくなり、処分してしまった「フローシャイムのバンプ」「ジャンバディーのローファー」以来のスリップオンで、タイミングよく軽装のシーズンに出来上がったので、組み合わせを考えながらワクワクしているところです。

サイズは前回作ったスエードフルブローグと一緒の25cmで甲の高さはそのままで小指の部分を3mm広くしたのに伴ってコバの張り出しも広くしてもらっているので、ちょっと強調しすぎているようにも見えますが、私の足が体型と一緒でバランスが悪いのでしょうがないですね。

「古いアメリカ靴」のエレガントなクラシック・モデルを復刻させた「天神山オリジナルシューズ」の特徴は、履きこみ口を狭くして、6アイレットのレースの位置からトウまでの微妙に短めのバランスと程よい丸さのトウシャイプ、外側と内側の張り出したコバから角度のある削りからのベベルトウエストの絞りを強くして、木地仕上げ以外は半カラス仕上げのソール、甲の部分の縫い目を手間のかかるリボルターテ(革の切り目を薄く梳いて内側に織り込んで縫う)仕様で、今回から新しく加えた踵の内側の角削りは、使い勝手としてはドーデモイイことなのですがコバの角度のある削りと共に何気ない色気と職人の技が表現されています。

昨年の10月始めより連続してしつこく紹介している天神山オリジナルシューズですが、見返してみると私自身が好きで年間に7割の比率で活用しているのと同じで表革よりも圧倒的にスエードが多く、まるで世間に逆らっているような提案ですが、スエードこそシーズンを通してひと味違う組み合わせが楽しめオーダーならではの一足になるのではないでしょうか。

今後も、お客様に協力していただきながら新作が紹介できればと思っています。