今回は、弊店では毎年好評のヘビーウエイトの「アイリッシュリネン」素材を使って、オーダーならではのダブルブレスト・スーツの紹介です。
東京地区も桜(ソメイヨシノ)がやっと満開になり先週末はお花見日和になりましたが、4月に入ってからも花冷えの寒さが続いたかと思ったら一昨日は爽やかに晴れて気温が上昇し、私も今年初で薄手のコットンソラーロを着ましたが、また今日は肌寒くフランネルのブレザーに逆戻りした体調を気遣う装いになっています。
この方は、昨年の夏にウール&リネン混紡のストライプと、秋口にコーデュロイと共にダブルブレストスーツでの掲載を協力していただいていて、前にも書きましたが、弊店の扱っているモデルを変えながらハンドメイド仕様にも挑戦して、雰囲気や着心地の違いを試していただいている中で、基本のパターンが体にマッチしているのか今まで30年以上にわたって試してきたイタリア製も含めたオーダーメイドに勝ると評価をいただいていて光栄に思っています。
この素材は、昨年の春に紹介したナチュラルカラーで作ったスリーピース・スーツと同じで、イタリア・ナポリの生地マーチャント「Caccoppoli」(カチョッポリ)社ガ提案する本場アイルランド製の目方のある400gで、しっかりと目が詰っている為、皺のなり方も独特で、使い込むほどに麻本来の味を引き出してくれる、近年のカジュアル化傾向の中では生産数の少ない貴重な夏の定番素材です。
モデルは、前々回紹介しているコットン(右横に写っている)と同じ「RESZ」を使って、6ツ釦2ツ掛けのダブルブレストで、ディテールもコットンと同じチェンジポケットを付けて、皺を気にしないでサイドベンツして、スラックスも共にハンドメイド仕様ならではの片返しハンドステッチにしました。
考えてみたら、この方は昨年同じ素材の色違い(ナチュラルカラー)のアイリッシュリネンでスーツを作っているので今回で2着目となり、着実に究極の「夏の正統派スタイル」を揃えているに対して、いまだに挑戦できないでいる暑がりで異常な汗かきの私は情けない限りです。
コーディネイトは、試着していただいて撮った上の写真は、ブルーのワイドカラーシャツに茶色の無地のネクタイを合わせ、丁度良い色合いのブラウンのオックスフォード・シューズを履いています。
下の写真はボディーに着せて撮ったもので、大きめのチェック柄のワイドカラーシャツに、夏向きの配色のストライプタイを締めて、サックスの千鳥格子柄のポケットチーフをパフで挿してみました。
今シーズンの商品紹介で、シャークスキン、トロピカル、コットン、アイリッシュリネンと弊店「TENJINYAMA」が毎年しつこくおすすめしている春夏シーズンの定番素材が出揃ったので、今後もお客様の協力を得ながらその時々の旬なものを紹介できればと思っています。
先週の話の続きで、「着こなしの基礎」を養う上での重要なアイテムの小物達(スカーフ、ネクタイ、ポケットチーフ、靴下など)が、「天神山流」のセレクトで今週初めに勢揃いしましたので、春夏シーズンならではの明るく華やかな着こなしを、工夫をしながら楽しみながら試してみませんか。