コットンのダブルブレスト | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、これからの季節におすすめのコットン素材を使ってオーダーならではのダブルブレスト・スーツの紹介です。

先週半ばから穏やかに暖かい春本番の陽気が珍しく続いていたかと思ったら火曜日は神奈川でサクラより先に夏日を記録して昨日と今日はほぼ平年並みで朝晩の冷え込みが戻り、服装はと言うとお彼岸を前にして一気に薄手のものを着始めていたのですが、また、ウーステッド素材を登場させるなど苦労をしています。

今回のコットンスーツは、弊店「TENJINYAMA」が6年前の2月にオープンした年から親しくお付き合いをさせていただいている方に、度々サンプルとして店内に飾らせていただくなど協力して貰っている中で、今シーズンは今までお持ちでなかったコットンスーツに挑戦と言うことで、片返しのコバステッチを強調する為と、前回協力いていただいたダイヤゴナルのジャケットがしっとりとした素材の効果もあるのか今まで以上に着心地が良かった為、ハンドメイド仕様でお作りいただきました。

ここ何年かのトラッド回帰のファッション傾向からすると、春夏シーズンには欠かせないアイテムのコットンスーツは、夏にはちょっと暑く感じるかもしれませんが、春や梅雨時期の雨の多い時にウール素材を着る気分になれず、また、麻素材やコードレーンもカラッと晴れていないとちょっと着にくい時期には最適な1着と前にも書きながら毎年しつこく紹介していますが、なかなか作る人が増えないのが現状の中で、もっと敬遠されているダブルブレストでの提案です。

この素材は、最近の春夏シーズンでのコットン素材と言えば種類の豊富なイタリア製生地マーチャント「Caccioppoli」(カチョッポリ)社の、夏には着ないことを前提にとちょっと重たい300gで一番癖のないベージュ色を選びました。

モデルは、弊社で一番スタンダードな「RESZ」を使い、6釦2ツ掛けのダブルブレスト、ちょっとスポーティーにチェンジポケットを付けて、サイドベンツ、気やすめかも知れませんが皺になりにくいようにと総裏にして、ハンドのコバステッチを活かした片返しで、同一工場内という利点を活用しスラックスも同じ片返しハンドステッチ仕様で作りました。

コーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、なんとなく今の気分で「DRAKES」製のグレンチェックのネクタイを締めて、黄色いペーズリーのポケットチーフを挿して、靴は「おじおじさん」さん(http://daiseike.seesaa.net/)にお借りしているミッドセンチュリー「フローシャイム」製のコンビネーションのUチップです。

私自身が愛用している冬のスーツは、殆んどが「白井さん流」のダブルブレストのスリーピースで、弊店でも毎年しつこくおすすめしているダブルブレスト・スーツですが、まだ、体型などを理由に敬遠される方が多い中で春夏シーズンでの提案は余計に難しいと思いながら、考えてみたら昨年は夏用のコードレーン素材で作る方がいましたし、もうすぐアイリッシュリネン素材で作られた方のが出来上がってくるしと、異常な暑がりで汗かきの私には真似の出来ないハイレベルな着こなしに挑戦される方も増えてきています。

因みに「信濃屋馬車道店」で今週からスタートしている「パターンオーダーフェア」で、シングルとは一味違うダブルの存在感を味わってと提案していますし、なんといっても「ひと日記」http://blog.goo.ne.jp/hito0815)さんの「白井さんの着こなしブログ」を見ていてもスーツでの登場11回の中でお通夜の日を除いた10回全てがダブルブレストでの素晴らしい着こなしを拝見させていただきながら本当にダブルブレストが好きなんだと、毎回違うハイレベルなコーディネイトに圧倒されながら影響を受けつつ、次回の冬はグレーのチョークストライプでダブルブレストを作ろうと思っている私です。