今回は、先週入荷したローデンクロスを使用したローデングリーンのコートの紹介です。
10月に入り衣替えの季節を迎え、少し涼しくなりやっと本格的にお洒落を楽しむシーズンに
なりました。まだ、コートの話題は早すぎるかもしれませんが今年の冬に早めに備えてはいかがですか。
ローデンコートは、オーストリアの貴族が着用していた伝統的なハンティング用の防寒コートです。
その後、18世紀後半より街着として流行し、特に大陸ヨーロッパ(主にドイツ、オーストリア、
フランス、イタリアなど)においては、現在でも非常に人気のあるオーバーコートです。
特徴は、スロートタブ付のステンカラー、フローティングショルダー(銃を撃つために肩の動きを
良くした独特の袖付け)、背中心のインバーティッドプリーツ(肩甲骨あたりから裾までの内箱ひだ)
そしてそれに伴う、ゆったりとしたAラインです。
このローデン・クロスという素材はオーストリアのチロル地方で織られる、独特の服地。
同地の村落ローデラーズの遊牧民が織り始めた毛布地に由来するといわれています。
織り上げたあと、3分の2程度までミリング(縮絨ーお湯につけて縮ませること)したもので、
したがって、目の詰まった、防水性・防風性に富んだ服地です。比較的軽量で毛羽立ちも少ないので、
オーバーコートには最適です。
ここでちょっと余談ですが、私が2回目にイタリアに行った1986年の1月にまずミラノの空港で
いろいろな種類(チェスターフィールドコート、ポロコート、ツイードなど)のオーバーコートを
着ている人を見てビックリ、また、マフラーはカシミアの綺麗な色のレッド、グリーン、ブルーで、
町のレストランに入るとコートラックにローデンコートばかりが山のように掛けられていて、これで
自分のコートがどれだか分かるのかと思うぐらいに皆が着ていました。
その頃日本では、バーバリータイプの綿コートが定番で雨が降っていなくても真冬でも皆が
レインコートを着ていました。また、オーバーコートを着る人は綿コートと同じモデルのステンカラー、
ラグランスリーブばかりでイタリアの町では殆んど見ないタイプでした。
最近では、ビジネススーツに実用性、機能性を重視してナイロンやキルティングのハーフコートを
着る人が多くなり、情けなくて言葉も出ません。
地球温暖化の影響で気温が上昇気味ですが、例年、東京でも1月半ばから2月末までの一ヵ月半は
コートが主役の季節で、毎日同じコートを着るのではなく最低でも3着は持っているのが理想です。
その日の洋服に合せてコートも替える為に、まず一着目はネイビーかチャコールグレーの
チェスターフィールドコート、2着目にキャメルヘアかツイード素材のポロコート、そして3着目に
このオールマイティーに使えるローデンコートを揃えれば完璧です。
1着目と2着目のコートは弊社TENJINYAMAのオーダーで作れます。
3着目のローデンコートは、本場オーストリアのコートメーカーSCHNEIDERS(シュナイダー)
製の原型モデルをそのまま輸入したものです。但し素材はあまり厚すぎないアルパカ20%混紡の
ローデンクロスです。価格は税込¥111,300です。
ツイードやコットン素材のパンツにタートルセーターを着て休日のカジュアルスタイルにも
活用できます。
今年の冬が楽しくなりそうですね。
それでは次回の商品紹介をお楽しみに・・・