以前ブログに書きましたが、「宝塚音楽学校」の受験が終わりました。
今年は、約1000人の受験者の中で、見事合格し
宝塚の舞台への門をくぐる事ができたのは、たった47人でした。
合格者はこれから2年間、毎日毎日厳しいレッスンを受け
2年後に憧れの宝塚の舞台に立つ事を許されます。
そして、私の教えていた生徒はどうだったかと申しますと・・・
この難関を突破して、見事合格いたしました!!
私が教えに行っているスクールでは、5人もの合格者が出ました。
この5人が、未来のトップスターになってくれる事を祈るばかりです。
私の生徒の話を少し。
彼女が初めて私のレッスンを受けたのが、中学2年生の頃。
その頃の彼女は、「笑う」という感情を外に出せない子でした。
何をいっても、ポーカーフェイス。。
どちらかと言うと、「怒ってる?」って感じ。
声を出しても、小さくて小さくて、何とか大きな声が出ないものかと
思案したのを覚えています。
身体も非常に華奢なので、パワーというパワーは全く
持っていなかった彼女。
そんな彼女が、いきなり変わったのは今年の1月でした。
ある日、ある先生に「ハキが無い」と言われ、泣いていました。
「どうしたら、ハキがあるように見えるのでしょうか?
私は一生懸命やっているのに、そう言われました」と
泣いて訴える彼女に、私は「演ずる事」を教えました。
人は大人になると、幾つかの顔を持っていると思います。
私は、「生徒の前では、良い先生」の顔。
目上の人の前では、「礼儀正しい後輩」を。
その都度、無意識に自分を変化させています。
それは人が成長すると、知らず知らず身に着けていく術だと
私は思っています。。
そのテクニックを全く知らなかった彼女。
ある意味、大変素直でまっすぐに育ったのだと思います。
幸いとても頭の良い子で、この話しをしたところ、
直ぐに変化が現れました。
そう、彼女は、「宝塚の舞台を目指す笑顔が素敵な
娘役候補の女の子」を演じ始めました。
物事と言うのは、ギャップが大事です。
今まで笑えなかった子が、ある日突然笑顔で現れたら、
そのギャップの威力は絶大です!
彼女の周りが、目に見えて変わってきました。
「なんだか、可愛くなってきたね」そんな声を
よく聞くようになりました。
彼女自身も「可愛くなった」の一言に自信を得て、
益々輝きを帯びてきたのには、私自身驚きました。
そして、歌もとても良くなってきたのはこの頃からです。
歌の内容を勝手に「いつ、どこで、だれと、どうした」と言う
お話しを作らせて歌わせてみたところ、
彼女はそのお話しのヒロインになり、物語を語るように
歌えるようになって来ました。
しかも、笑いながら微笑みながら歌えるのです。
私にしてみれば、奇跡のようでした。
今まで、感情を出して歌を歌う事からは、程遠かった彼女。
その彼女が、笑顔でキラキラ輝きながら歌っているのです。
運命が、動き始めたのを感じました。
運が彼女の後ろを後押しし始めかのように、
すべてが彼女にとって良い方向へと動き出したのです。
こうなってくると、若い人の持つパワーは凄いものがあります。
日に日に輝きを増し、自信を付けて来た所で、
一次試験を迎える事が出来ました。
「歌えた?」との私の質問に「余り上手く歌えませんでした。。
いつもの5割位しか歌えませんでした。。」との回答に
「よし!!」と思いました。
実技試験と言うのはおもしろいもので、「よく出来た!」と
思う時に限って、良く「出来ていない」事が多いのです。
特に受験等の実技で、「出来ました!!!!」と言う回答が
来た場合、要注意です。
「5割位」と言えるという事は、冷静だったという事。
そういう時は、確実にキチンと歌っているのです。
3ヶ月前は、一次試験突破が目標でしたが、
3月に入ってからは、「宝塚の舞台で、一人で歌うトップスター」に
目標に変えました。
そして、見事一次試験をクリア。
二次試験までは、気を許さずしっかりと目標に向かって
歩いて行く彼女が見えました。
その彼女が起した奇跡。。。
まさに私はその奇跡の瞬間に立ち会った気がしています。
「自分を信じる」「こうありたいと強く思う」「できると思う」
これらは、人間の無限の力を引き出す、キーワードだと思います。
今回、私はとても素敵な事を生徒から教えてもらいました。
彼女の未来に幸あれと、
これからの活躍を楽しみにしたいと思います。