● 商人は、惚れられねばならない。 | たいやき社長、書く。

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前記事で、私が住む、埼玉県行田市には、当店しかたいやき屋がないと書きましたが、理由としましては、たいやき屋を営むことは、かなり難しいからだと思います。

たいやきというお菓子は、おでんや、中華まんや、やきいもなど、「寒い季節しか売れない」ものなのです。一年のうち、売れるのは、10月から3月いっぱいの半年間で、あとの、4月から9月いっぱいの半年間は、まず売れません。

ですから、ただいま生きのびている、たいやき屋の多くが、売れない半年間の間は、焼きそばや、たこ焼きや、かき氷などを売りながら、なんとか生き抜いているのです。

世には、「真冬でも行列のできる、かき氷屋」が存在しますが、「真夏でも行列のできる、たいやき屋」となることに成功したら、それこそ、メディアが特ダネとして取り上げることでしょう。ここが、私の目指しているところです。

よく、「うちの商売は、うちの業界は、『特殊』なんです」と言いますが、実際は、世の中の、どの商売でも、なんの業界でも、特殊なのです。「うちは特殊なんです」というのは、世の中を知らないだけです。

されども、たいやき屋は、やはり特殊です。冬の間は、よく売れますが、夏の間は、とにかく売れません。実は、季節には、「夏か冬」しかありません。夏と冬の間に、さりげなく、春と秋というものが存在するだけです。

一年は、半年暑いか、半年寒いかのみです。ですから、夏の半年間を乗りきることができずに、冬まで耐えられず、たいてい潰れてしまうのです。たいやき屋が少ないのは、そのような理由があるのです。

ですから、そうなりますと、あとは、〝 人 ″ で売るしかないのです。つまり、「あんたの事が好きだから、暑くて、たいやきの気分でなくても買うよ」と言われる存在になる以外に、生き残る道はないのです。


当店は、昨年の9月に、現在の場所に移転してきたので、「たいやきの分福屋 第二章」として、今夏を迎えるのは、初めてのことになりますので、まさに、夏場は、ただいまの私に、どれだけ、「人としての魅力」があるかの、〝 テスト ″ になります。


商人は、お客様から、惚れられねばなりません。「この人が売るものならば、何でも買う」と思われるほどに、惚れられねば、「長期的な」繁盛や成功は、継続できないものです。


すべては、「人」にありです。これが、すべての結論なのです。ですから、私は、商売人として、また、人として、さらには、男として、「惚れられる存在」となることを目指し続けます。志の高さとは、宇宙のごとく無限です。終わりはありません。


人は、最終的には、お金にはついてきません。最後の最後には、その人間の、「志」についてくるのです。私は、従業員を雇っていたので、一次情報として、このことを理解しています。果てしなく、志の高い、気高い男でありたいと思います。


話は、やや逸れますが、私は、以前、古本屋で手にした、だいぶ古い一冊の本の中で、全身に電流が走った言葉があります。それは、「本物の男とは、女を惚れさせて、それでいて、何もしない男である」というようなものでした。私は、これを、自分の美学としています。


しかし、私にとって、女性にだけ惚れられる男では、まだハードルが低いのです。やはり、究極は、「男に惚れられる男」こそ、本物の男でありましょう。私は、老若男女から惚れられる、志高き本物の商人、そして、気高き本物の男を目指し続けます。


 
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