ですから、そうなりますと、あとは、〝 人 ″ で売るしかないのです。つまり、「あんたの事が好きだから、暑くて、たいやきの気分でなくても買うよ」と言われる存在になる以外に、生き残る道はないのです。
当店は、昨年の9月に、現在の場所に移転してきたので、「たいやきの分福屋 第二章」として、今夏を迎えるのは、初めてのことになりますので、まさに、夏場は、ただいまの私に、どれだけ、「人としての魅力」があるかの、〝 テスト ″ になります。
商人は、お客様から、惚れられねばなりません。「この人が売るものならば、何でも買う」と思われるほどに、惚れられねば、「長期的な」繁盛や成功は、継続できないものです。
すべては、「人」にありです。これが、すべての結論なのです。ですから、私は、商売人として、また、人として、さらには、男として、「惚れられる存在」となることを目指し続けます。志の高さとは、宇宙のごとく無限です。終わりはありません。
人は、最終的には、お金にはついてきません。最後の最後には、その人間の、「志」についてくるのです。私は、従業員を雇っていたので、一次情報として、このことを理解しています。果てしなく、志の高い、気高い男でありたいと思います。
話は、やや逸れますが、私は、以前、古本屋で手にした、だいぶ古い一冊の本の中で、全身に電流が走った言葉があります。それは、「本物の男とは、女を惚れさせて、それでいて、何もしない男である」というようなものでした。私は、これを、自分の美学としています。
しかし、私にとって、女性にだけ惚れられる男では、まだハードルが低いのです。やはり、究極は、「男に惚れられる男」こそ、本物の男でありましょう。私は、老若男女から惚れられる、志高き本物の商人、そして、気高き本物の男を目指し続けます。