初めて鮎を釣り上げたのが何月だったのかは忘れたが、次に川へ出掛けたのは「落ち鮎」の頃だった。
よく「昔は川面が真っ黒くなるほどの鮎の群れが」と言われるがまさにその通りであった。 

私の住んでいるところは河口から5kmばかり遡ったところなのでコロガシにはもってこいだ

真っ黒な一群がおよそ半径20mくらいあり、それがあちこちで見られた。
竿一振りで2匹3匹掛かってくるのは当たり前の状態で、あっと言う間に100匹を超えた

中学生がそんなに鮎を持って帰って食べるわけでもないし、ましてや近所にお配りするような世渡りの術を知る由もないので川の中洲に石で囲いを作り、水たまりの中に生かしておき、最後にドバっと川へ返してやった。

しかし、近年はこの一群の塊が見られなくなり、川の中洲は砂が堆積し草木が生い茂っている。

川は何年もかけて上流から砂を運んでいるのだから
当然川下にはそれが堆積する自然の成り行きなのである。
適度なところで堆積した砂を除去しなければ鮎の産卵場なんて年々失われて行くのは明らかである。

この年、この100匹を超えた釣行が最後だった、
つまり、年券を1,500円で購入し2回の鮎釣りだったのである。