天竺学生の日記
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独りでいたら何が悪い

突然の親からの電話の内容を、一言でいえば、





「あんたの育て方を間違えたかもしれない。」




あまりに友達が少ない息子、あまりにモテない息子、あまりに独りでいる事を好む息子




が流石に心配になったらしい。



ただ、当の本人は、友達が少ないことを悩んではいないし、モテないのも平気だし、独りでいるのが好きなのだ。



なにせ、僕は 「『つるむ』関係」 というものが大嫌いなのだ。そこに生産性は全くないし、お互いの値打ちを下げあう結果になる事の方が多い。


(斎藤孝『そんな友達いらないじゃないか』(本来は子供向けの本)『孤独のチカラ』などに書かれている内容が、大体僕が中学生くらいの時から直感的に思っていた事を表している)



そして、『つるむ』事を嫌う一番の理由が、「他人(ヒト)の悪口で盛り上がる」傾向が強い事なのだ。なぜだか知らないが、多くの人間が集まると




参加者X「Aという人間は・・・という奴だ」


という発言が出てきて、最後の方になると、当のAさんそのものを知らない参加者Y、Zまでもが、Aさんを嫌うようになる。


僕の20年間の経験では、「イジメ」のメカニズムは、すべてこのパターンに帰結される。


Y,ZさんはXさんとの関係を良好に保つべく、Xさんを嫌うというか、いやがるのだ。この馬鹿馬鹿しい構造は、大学にはないと思っていた。




が、あった。その時、僕は自分のこれまでの生き方をこれからも継続していくことを決めた。50人の集団なら、自分を除く49人の人と会話をしたうえで、「誰が好きか、誰が嫌いか」を決めるだけだ。この実行には、いつも「独りになる覚悟」が要求される。先ほどのAさんのように、既に、皆からの嫌われ者にされてしまった人と一緒にいると、こっちまで、嫌われ者になってしまう。それで、子供の頃は随分苦しんだし、結局「つるむ」奴等の力には逆らえず、イジメる側に回ったことも、恥ずかしながらある。でも、もういい。独りでいる事に、かなり慣れてしまったのだ。今の僕はかなり自己中心的な人間だと思う。ばかばかしく「つるむ」のはいやだから、昼食は独りで食べるけど、実験課題はさっさと片付けたいから、周囲の人間と協力する。



独りでいる強さ と 問題解決の際だけ他人を利用するずるさ



あまり良心的ではないが、「つるむ」よりはましだ。

消極的では駄目ですか?

子供の頃、僕の母親は、僕を進学校に行かせるべく、塾に通わせた。僕の母は、僕が生まれたときから、僕にいかせる中学校を決めていて(私立中高一貫校)、家を建てるときまで、その学校の近くに建てた。その時、僕はまだ3歳だった。



12歳の時、僕は時の運が手伝ってくれたお陰で、本当に中学校に合格してしまった。その時、母親は僕に


「あんたが将来医者になるなら、この学校に行かせてやる。そうでなければ、金が勿体無いから公立へ行きなさい。」と言った。


僕の母親は、自分の子供を医者にするのだと、生まれる前から決めていたのだ。



僕は、医者にはなりたくなかったが、12歳の僕もずるかった。「取り敢えず、『大きくなったらお医者さんになる』と言っておけばいいや。そうすれば、中高一貫だから、高校受験がなくてすむし、楽だ。」


6年後には、どこかの工学部でも受験しようと思っていた。


思えば、あの頃から、僕は消極的な生き方しかしていない。


成績が悪すぎて、中学を辞めて、公立に行け、と何度も言われた。何とか成績を上げるから、通わせてくれ、と両親に頼み込んだ。その理由は、単純に高校受験をしたくなかったからだった。


そんな動機ではろくに勉強なんてせず、なんとか高校に進んでも、成績は悪かった。ここでも、やめろと言われたが、「通うだけで、高卒の資格はあるし、3年は働かなくてすむ」


そんな理由で、何とか高校にしがみついた。そして、高3の時、もう親に逆らうのもめんどくさくなって、医学部受験をすることになった。






全部落ちた。当たり前だ。


そして1年間の浪人生活。浪人中は、「自分は医者になりたいんだ」と思い込むことにした。



今度は受かった。



今年の春から、僕はある医大に通っている。そして、近頃、やっぱり、今僕がいるのは、自分の望んでいたのと違う場所だと、実感している。ミスチルはanyで「今、僕のいる場所が、望んでたのと違っても、間違いじゃない」って歌っているけど、僕が今、その医大の付属施設で、この文章を書いているのは、間違いではないのだろうか。


子供を幸福にとのフレーズの元、母親の巧妙なトラップに嵌った12歳以来、消極的な生き方ばかりだ。



「司法試験は誰でも受験できるが、医師国家試験受験資格は、医学部を卒業しないと与えられない。」

(だから、医師国家試験が司法試験より高い合格率になるのは当たり前との主張もある)


つまりは、一度医学部に入ると、やめてしまうのは、勿体無いのだ。


そんな気持ちで、大学に通う毎日だ。


先日20才になったのだが、相変わらず、消極的な生き方しかできない。