これを信じる以外にない。すごい仏法だ! | くにゆきのブログ

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今、自分が感動したこと、また知っていただきたいことを、主に記していこうと思います。

      (『人間革命』第8巻より編集)

          9

        〈真実〉 9

 

 彼は、座談会に集まっていた人びとに、失業していたばかりであったことを、初めて打ち明けた。

 

 そして、九州への派遣隊に参加して活動している最中に、復職という功徳が現れたことを、喜び勇んで語った

 

 座談会が終わって旅館に引き揚げると、彼は、急いで清原かつに電報を見せた。

 

 「よかったじゃないの。電車の事故に遭って、怪我も何もなかったなんて。広宣流布のために、真剣に戦っているから守られたのよ。

 

 そこに復職の連絡がくるなんて、すごいことじゃない。宿命転換というのは、こういうことを、いうのよ。悩んでいる人を救えば、自分に福運がつくのよ

 

 「今夜、すぐ、東京にお帰りなさい。おめでとう」

 

 富田は、一行より一日早く、その日の夜行で帰途に就いた。彼は、興奮を抑えられないまま、夜汽車に揺られながら考えた。

 

 ”教学で一念三千ということを教わったが、本当にそうだ。自分の一念が変わって妙法に則れば、環境世界が変わると言われた。

 

 人間の心が変わったからといって、環境が変わるなんて、そんなことが、あるのだろうかと思っていたが、自分の生活に、実際にその現証が現れた。

 

 これを信じる以外にない。すごい仏法だ!

 

 御書に「人のために火を灯せば、我がまえ明らかなるがごとし」と仰せである。

 

 他人のために尽くす、慈悲の行為に励む人の胸中には、仏の命が涌現する。その境涯が、すべてを変えていくのである。

 

 彼は、ほのぼのとした温かいものと、絶対の信心の確信を胸にかかえ、東京に戻った。

 

 駐留軍の事務所に出頭すると、復職の条件は、これまでより一割の昇給となっていた

 

 彼は、前日からの激しい転変に驚き、いかなる困難も、徹底した信心でこそ、解決できるという確信を、さらに深めたのであった。