婦人部の成長。戸田城聖にとっての、もう一つの難事業。 | くにゆきのブログ

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今、自分が感動したこと、また知っていただきたいことを、主に記していこうと思います。

   (『人間革命』第5巻より編集)

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   〈随喜〉 11

 

  戸田は、今夜の会合が、婦人部の成長にとって、記念すべき集いになったことを嬉しく思った。

 

 卓上の白ゆりの花が鮮やかである。人びとは、その花を忘れているようであった。

 

 戸田は、しばらくその花に目を移し、笑いながら口を開いた。

 

 「大した勢いになったじゃないか。・・・戸田は、婦人部のために、皆さん方の人生のために、心から喜びたい。

 

 今夜を記念して、婦人部に一首、差し上げよう。こう言う歌だ。

 

 白ゆりの 

  香りも高き

    集いかな

  心の清き

    友どちなれば

 

 一同は、はつらつと学会歌を高唱し、散会していった。

 

 戸田城聖は、会長就任の折、内外に宣言した七十五万世帯の達成という、不可能と思われる難事を、夢にも忘れることができなかった。

 

 それは、彼の畢生の願業であり、全生命を賭しても実現すべきことを、自らに課したのである

 

 今、戸田の胸中を悩ましている重大な難事が、もう一つあった。

 

 それは、明昭和二十七年四月の立宗七百年の祝典までに、日蓮大聖人の御書全集の発刊を敢行することであった。

 

 おそらく、千数百ページになるであろう御書の編纂は、容易ならぬ大事業といってよい。

 

 その編集よりも、さらに困難と思われることは、敢行に要する経済的基盤が全くないことであった。

 

 まず、今のうちに特殊な薄い紙、インディアペーパーを発注しておかなければ間に合わない。

 

 それには、発注の裏付けとして、莫大な前渡金が、どうしても必要であった。

 

 特殊な紙の製造は、それが、もし不要になった場合、他の使用に向けることは、不可能であったからである。

 

 その他、印刷、製本と考えていくと、経済上の目算は、どうにもたてようがない