(『人間革命』第4巻より編集)
15
〈生命の庭〉 15
(つづき)
宇宙自体がすでに生命そのものであり、地球だけの専有物とみることも誤りである。
われわれは、広大無辺の大聖人のご慈悲に浴し、直達正観事行の一念三千(※)の大御本尊に帰依したてまつって、『妙』なる生命の実態把握にはげんでいるのにほかならない」
※ 直達正観(じきたつしょうかん;成仏のこと。)
事行の一念三千{真理を具現化したもの、衆生の生命(一
念)に現象世界(三千)のすべてが収まること。}
戸田の念願とするところは、一人の庶民にいたるまで、それぞれ生命の尊厳と永遠性を知らしめ、その実生活において生命の力を涌現させていくことであった。
そこで彼は、現代の生物学の抜きがたい常識を打破する必要を感じた。
「あるいは、アミーバ―から細胞分裂し、進化したのが生物であり、人間であると主張し、私の説く永遠の生命を否定するものがあるだろう。
そうであるなら、灼熱の地球が冷えた時に、なぜアミーバ―が発生したか、どこから飛んできたのかと反問したい。
地球にせよ、星にせよ、アミーバ―の発生する条件がそなわれば、アミーバ―が発生し、隠花植物(生殖器官として花をもたない)の繁茂する地味、
気候のときには、それが繁茂する。
そして、進化論的に発展することを否定するものではないが、宇宙自体が生命であればこそ、いたるところに条件がそなわれば、生命の原体が発生するのである。
ゆえに、幾十億万年の昔に、どこかの星に人類が誕生し、いまは地球に生き、栄えているとするも、なんの不思議はないのである」
そして、こう結論した。