あなたには御本尊がある | くにゆきのブログ

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今、自分が感動したこと、また知っていただきたいことを、主に記していこうと思います。

(『人間革命』第3巻より編集)

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      〈群像〉 14

 

 彼女(大島英子)は、そうした家庭の事情など、今まで、人に話すのがいやで仕方がなかった。

 

 話を聞いた人たちは、誰も軽蔑しなかった。いや、それどころか、口をそろえて彼女を励ますのだった。

 「それが見事に解決するのよ。あなただって、幸せになる権利はあるわ」

 

 その温かさに心を打たれた大島英子は、この日、入会を決意した。

 

 英子が入会して間もなく、英子たちが家を出るか、継母が家を出るかという、破滅的な事態にいたった

 

 彼女は、頼りにしていた清原に、ある夜、すべてを語った。

 清原は、英子の話を聞くと、すぐに戸田のいる日本正学館に行った。

 

 「案外、早く解決するだろう。今の悩みは簡単といえる。私は、そのお母さんが悪いというのでもない。あなた方が悪いというものでもない。

 

 現実問題、それらの理屈は別として、あなたには御本尊があるはずだ

 ひとたび御本尊を受持し、実践するあなたは、仏です

 人を憎み、泣いてばかりいる仏などいません」

 強い言葉であった。彼女は、ロウソクの光に揺らぐ戸田の顔を仰いだ。

 

 「あなたは、もはや大聖人の弟子です。仏様の子どもです。

 

 日蓮大聖人は、頸(くび)の座にあっても、佐渡の雪の中で凍えても、『我日本の柱とならん、日本の眼目とならん、日本の大船とならん』と、国のため、民衆のために、あれほど戦われた。

 

 あなたも、少なくとも勇気ある信心で、一家の柱とならなくてはならない。

 

 一家の柱になっているか、いないかー その自覚と責任があなたにはない。ふらふらしているから苦悩が増してしまう。

 今日から強く自覚して立ちなさい」

 

 英子は、素直に頷いたものの、さて、どうしたらいいか、わからない。

 「母とは、この際、どうしても別れたいのですが・・・」