『大百蓮華』２００７年６月号の巻頭言より
負けるなと
断じて勝てよと
師の声は
弟子の我らの
命に流れむ
仏の声は、無敵の「勝ち戦」の声である。
それは、邪悪を打ち砕く「破邪」の宝剣だ。
そして、人びとを正しき幸福勝利の道へ目覚めさせゆく「顕正」の陽光といってよい。
日蓮大聖人は。「一つの師子王吼れば百子力を得て諸の禽獣皆頭七分にわる（割れる）」と仰せである。
正義の同志の魂に勇気と活力を贈り、悪逆な怨敵は震え上がらせずにはおかないーこれが、妙法を唱え、弘めゆく生命が発する「声」の力用である。
初代・牧口常三郎先生も、二代・戸田城聖先生も、この師子王の大音声を放って、広宣流布の大道を勇猛に開かれたのである。
溌剌（はつらつ）と
平和の声を
張り上げて
大行列の
前進楽しく
臆病な沈黙は、敗北であり、衰亡である。
旭日の昇るように生き生きとした声が漲るところにこそ、勝利があり、発展がある。
「一日五分の音読で、脳は十歳若返る」との最先端の脳研究も、「聖教新聞」で紹介されていた。
学会活動は、健康な音声に充ち満ちている。
「声仏事を為す」である故に、声を出した分だけ、広宣流布という仏の聖業は進む。
私と対談集を発刊した「アメリカの良心」カズンズ博士は語っておられた。
「今日の希望は、じつはこれこそが唯一の希望かもしれませんが、明快に発言し意志をかわしあう市民が世界中に輩出するところにこそありうるでしょう」
その希望の交響を、博士は創価の世界市民から聞き取ってくださっていたのだ。
広宣の
尊き母らの
叫びをば
諸天も諸仏も
断固と守らむ
この六月十日は、世界一の「婦人部の日」－。
気高き婦人部の明朗な声に勝るものはない。
御聖訓に、「悪知識と申すは甘くかたらひ詐（いつわ）り媚（こ）び言（ことば）巧みにして愚痴の人の心を取って善心を破る」と説かれる。その魔性の悪知識を鋭く見破り、厳然と破折してきたのが、創価の女性の誉れと尊き歴史である。
昭和五十四年、広布の和合僧を破壊せんとする邪宗門も策略の渦中に、北陸の会合で一人の女性リーダーは凛然（りんぜん）と叫び切った。
「何が変わろうとも、誰がどうあろうとも、私たちの師匠は、先生ただお一人です！」
獅子吼とは、妙法流布の大願へ、師匠と弟子が共に正義を吼（ほ）えゆく音声である。
この響きがある限り、学会は永遠に負けない。三世に輝き栄えていくのだ。
「私たちの運命を決めるのは、権力をもった指導者ではなく、むしろ民衆自身の結合した声による強い影響力である」とは、エレノア・ルーズベルト大統領夫人の叫びであった。
健気な母たちの声、誠実な父たちの声、真剣な青年の声が最大に尊重される社会を築くために、我らは戦い、そして勝つのだ。これが、仏法則社会であるからだ。
九十六歳まで語り抜かれた、パグウォッシュ会議のロートブラット名誉会長は、私の詩集『平和の闘争』に寄せて、「増幅する暴力と憎悪をも凌（しの）ぐ正義の大音声を、今ほどあげなければならぬ時はない」と記された。
創価の勝利を、世界の知性も待っている。
「いよいよ・はりあげてせむべし」
声を限りに、今日も仏の使命を果たし、勝ち抜いてゆくのだ。
宇宙まで
響かむ
創価の大音声
出陣 勝ちたり
凱旋（がいせん）賑やか