過去からの贈り物




そうしてすべてを知った私は、ツナくんたちにもこのことを話した。

もちろん京子ちゃんがいないときに、だ。


彼等はとても驚いていた。



特に驚いたのはツナくんだった。

そして彼は私に謝ってきたのだ。


「ごめんね。」と.........


やっぱりツナくんがマフィアなんて信じられなかった。





その1週間後、ツナくんは激闘の末、見事勝利した。

彼の勝利と同時にヴァリアー戦も終わったのだ。



やっと普通の日常が戻ってくる―――



そう思ったのもつかの間だった。









「........え?」


思い出にふけっていた私の目の前に

突然紫色の大きな筒が表れた。








ボンッッ











何が起こったのか、理解する暇もなく、

私の体は煙に包まれた。



















ボンッッ











「ここ.....どこ?」


再び視界が明るくなったときには

私は通学路の上ではなく、森の中に座っていた。



自分がどこにいるのか、見当もつかない。

ここは並盛なのだろうか?それとも...........






と突然、向こうのほうで大きな光がピカッとしたのが見えた。


――――そう、まるで雷のような。



光の現れたほうに視線を向けると............







「獄寺くん!?」



銀髪の彼は黒い服を着ている男に

頭を掴まれていたのだ。



すぐそばには―――






「山本くんまで!どうして!?どうなってるの!?」




彼は、いや、彼等はボロボロだった。

全身切り傷や血だらけで今にも息絶えそうな雰囲気だ。




男は今まさにとどめをさそうとしているらしい。





ど、どうしよう........

このままじゃ...................





誰か...誰か.....









「雲雀さん.........ッ!」




私はとっさに彼の名を呼んだ。

一番頼りになる、彼の名を。









そのとき、私の体はふわっと暖かい腕に包まれた。







「あとで説明してあげるよ。今はいい子にしてここで待ってて。」



私の大好きな、低くて心地よい声が頭上から聞こえた。


私の知ってる声よりも低いけど.........



すぐにわかった。










わからない、はずがなかった。










「雲雀........さん?」



つぶやくように聞くと黒スーツに身を包んだ彼は

私をちらりと見て微かに微笑んだ。





そっと私から手を離すと

彼はゆっくりと獄寺くんたちのほうへ向かっていく。


そしてリングに炎のようなものを灯し、それを箱にあてると、

紫色の炎を帯びた丸いものが勢いよく飛び出した。






「君の知りたいことのヒントをあげよう。

 彼等は過去から来たのさ。

 僕は愚かじゃないから入れ替わったりはしないけどね。」


「何やらアンタ、詳しそうだな。

 だが、ドンパチにまぜてほしけりゃ名乗るのが筋ってもんだぜ。」



獄寺君の頭を掴んでいた男――γはそう言った。



「その必要はないよ。」


彼は箱にさきほどの丸い物体をしまいながら答える。


彼の黄色い鳥が空を飛ぶ。









「僕は今、機嫌が悪いんだ。君はここで―――咬み殺す。」