映画「ボヘミアン・ラプソディー」知らなかったフレディ | 休日の雑記帳

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制作年:2018年

制作国:イギリス・アメリカ

 

クイーンについては有名な曲以外ほぼ知らなかったのですが、ボーカルのフレディ・マーキュリーの半生を、クイーンの名曲の数々と共に知ることができて見ごたえ十分な映画でした。

 

☆あらすじ☆

 

音楽を愛した青年ファルーク・バルサラは、ファンだったバンドのボーカルが脱退したことを知り、バンドメンバーに加えて欲しいと頼み込む。最初は見知らぬ青年を軽くあしらっていたメンバーだったが、声量のある美しい歌声を聞かされて考えを改めた。こうしてバンドメンバーに迎え入れられた青年はフレディ・マーキュリーと名乗り、伝説のバンド「クイーン」が誕生した。天才フレディの半生を描いた作品。

 

お勧め ★★★★☆

 

知人から感動して泣いたとお勧めされていた作品だったので、期待して鑑賞しました。感動はしたけれど、フレディ・マーキュリーの生き様よりも音楽そのものの良さが際立っていて、個人的にはそちらの感動の方が大きかったです。クイーンに関する前知識がほぼない状態だったのですが、あの名曲もこの名曲もクイーンの曲だったんだ!という驚きと発見がある作品でもありました。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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移民で異教徒でバイセクシャルで天才で。いろんな意味で普通の人とは違ったフレディの孤独がよく描かれた作品でした。でも彼を孤独にした一番の要因は、やはり天才だったことなのではないかと思います。移民も異教徒もバイセクシャルも、イギリスにおいては少数派だったかもしれないけど、天才よりは多くいたでしょう。

 

天才はいつの時代も、どの分野でも孤独になりがちだと思います。圧倒的多数を占める凡人には理解できないからこそ天才なのですから。その孤独をよしとして受け入れられる人物であるか否かで、天才たちの人生の幸福度が違ってくるんじゃないかと思いました。

 

自分の才能に没頭し、それを表現することで至福を得られるタイプであれば、他人からの真の理解が得られなくても幸せな人生を送ることができたでしょう。むしろ他人から理解されないことすらも喜びになることもあるのでしょう。しかしフレディは、周囲の人々からの理解や愛情が欲しかったよう。他人から見れば、フレディは世界中の人々に愛され、承認されていたと思うのですが、本人にとっては本当の理解は誰からも得られていなかったようです。

 

音楽が褒めそやされても、たくさんのファンがライブに駆けつけても、一緒に音楽を共有してもパーティーを開いても薬や酒におぼれても、仲間たちが愛して心配してくれても、フレディの孤独は埋められることがなかったようでした。なぜ?なにがそんなに足りないのか、不思議な思いで見ていたのですが、それこそが凡人に理解されない天才の苦しみだったのだろうと思いました。

 

クイーンファンでなくとも一度は聞いたことのある名曲の数々を、臨場感たっぷりに楽しめる中、初めて歌詞の意味を知りました。そんな内容の歌だったんだ!という感動の中、「ママーうううう~♪」という美しい曲(これこそが”ボヘミアン・ラプソディー”だったのですね!)の歌詞には驚愕でした。人を殺してしまったよ。そんな歌だったんですか。おそらく人を殺したことなどないはずのフレディが、なぜこんな曲を書いたのか、フレディの生き様と孤独を知ってからじっくり吟味すれば、違った解釈が可能になるのだと思いました。

 

クイーンを知らない私でも、映画で描かれるフレディの人生、表情、セリフと音楽がシンクロし、心動かされるものがあったので、もともとクイーンをよく知っていた人であれば、より深い感動を覚える名作なのだろうと思います。映画鑑賞後、クイーンの曲と歌詞を改めてじっくり堪能してみたいと思える作品でした。

 

映画と実物を比較する動画が多数あったので見てみたのですが、ちょっと笑っちゃうくらいそっくりですね。クイーンを演じきった役者さんたちも素晴らしいと思います。クイーンファンは当然、そうでなくても楽しめる作品でした。