製作国:日本
ずっと読みたいと思っていた小説の映画化作品を見ました。
これはすごい。涙なしには見られない

二時間ほどの上映中、3、4回は嗚咽が漏れるレベルでしたわ・・・
☆あらすじ☆
不倫の末授かった子供をおろし、子供を産めない体になってしまった希和子。
気持ちに区切りをつけるつもりで不倫相手の家に侵入したのだが、自分に向かって笑いかける赤ちゃんを衝動的に誘拐してしまう。
「薫」と名づけた赤ちゃんに深い愛情を注ぎながら逃亡生活を続ける希和子だったが、四年目に逮捕される。
親元に戻され、大学生となった恵理菜(薫)は、ある日突然現れたフリーライターの千草とともに、事件の足跡をたどる。
お勧め ★★★★☆
被害者の女性たちと、被害者であり、加害者でもある女性。
彼女たちの苦しみ、葛藤がもうね、胸に迫ってきて仕方がない

夫に裏切られ、子供を奪われた母親。
何の非もないのに誘拐され、馴染みのない実の親と暮らすことを余儀なくされた恵理菜。
愛する男を信じた挙句、授かった命も健康な体も失い、加害者となってしまった希和子。
それぞれの気持ちとか、どうしようもなさ加減に涙せずにはいられません。
感動のヒューマンドラマお探しの方にはイチオシの作品です
以下、ネタバレを含みます

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一番の被害者は、子供を誘拐された母親でしょうね。
浮気される妻が悪い、なんてトンでも理論をぶちかます人も稀にいるでしょうけど、神前で永久の愛を誓い、行政に夫婦としての契約を提出したほどの相手から裏切られ、赤ちゃんは持っていかれ、無事返されても「知らないおじちゃんとおばちゃん」と認識され、夫は不倫バカ男として日本中に名を馳せることとなり・・・
普通のお母さんとして、かわいい赤ちゃんにせいいっぱいの愛情を注ぎ、赤ちゃんからも愛情を返してもらいながら一緒に成長を楽しむ過程を根こそぎ奪われたお母さんの苦悩はどれほどのものだったことか。
誘拐された恵理菜も同じくらいの被害者ですね。
親と信じて愛した相手は犯罪者であるだけでなく、恵理菜の人生に一生の責任を負う能力も権利ももたない赤の他人だったわけで。
希和子は自分の身勝手な母性本能を満たすため、恵理菜を利用したようなもんですから、やってることは相当あくどいといっていい。
しかし、純真無垢な赤子に心を射抜かれ、無我夢中で衝動のまま恵理菜を愛し続けた希和子を見ていると、とても加害者として責める気にはなれず・・・
ほんとうに、各々切なく、苦しく、悲しいんですよね
そんななかで明確に加害者としか思えないのが恵理菜の父親でしょう。
自分の一時の楽しみのため、愛する妻子を裏切り、一人の女性の人生を台無しにし、体も心も壊しておきながら法的には無罪なわけで。
もちろん社会的には制裁を受けており、彼は生涯仕事を転々としていたようですが自業自得。
そんなのが夫だった恵理菜の母親はダブルで被害者。
あんまりすぎる
しかし、不倫してる女性はなんで相手を信じてしまうんでしょうね。
結婚していながら妻子を裏切ってるような男ですよ。
妻子を平気で裏切ってるのに、なぜ自分のことは裏切らないと考えるのか。
んなわけないでしょ。明日はわが身でしょ。
相手の男は最初から「ぼくはこんな不誠実な男です」とアピールしているようなものなのに。
自分は妻子よりも上だなんて、絶対にうぬぼれてはいけません。
どんな甘言を弄されようとも、不倫相手は妻子より格下。これ、忘れんといて
あんまりしつこいようなら「離婚してから出直せ」と言っておやりなさい。
・・・誰に向けて何を書いてるんだかわかんなくなってきましたが

この映画で秀逸だったのが、千草を演じる小池栄子さんです
特殊な施設で育った彼女もある意味被害者のひとりですが、コミュ障っぷりが見事でした。
常にてんぱってる風な演技がうますぎ
そして彼女の存在が、凝り固まっていた恵理菜の過去を解き、明るい将来へと導いていく。
千草の存在がなければ、恵理菜は過去と向き合うこともなく、未来を見ることもなく、停滞したままだったことを考えるとかなり重要な役回りです。
彼女が恵理菜の心を開こうと、懸命に語りかけるシーンも感動的でした

こんなに感じるところの多い映画には久しぶりに出会えました。
絶賛、お勧めです
