【前回のあらすじ】

庭にある枇杷の実をほとんどアライグマに取られてしまった私は憤慨し、猟友会に檻を設置してもらう。しかし檻を設置してもらったのにアライグマはその檻のワナにはかからずに、残りの枇杷を食べ尽くした。私はこの暴挙に出たアライグマに損害賠償請求も辞さない気持ちでワナの中の餌を新しいものに変更することにした。

 

詳しい内容は下記リンクから↓

 

 

 

アライグマ捕獲のための餌を調達するために私はスーパーへと出向いた。

 

 

キャラメルコーンはあまり買わない。

 

 

嫌いだからではなく、美味しくて一瞬で一袋食べてしまう危険な食べ物だからだ。

 

 

母が好きでキャラメルコーンは実家にはよくあった。

 

 

懐かしいなぁ、と思いながらスーパーでキャラメルコーンを見つけたとき、私は実家によくあった理由が一目でわかった。

 

 

 

78円なのである。

 

 

 

もちろん色々な場所、スーパーの種類、その当時の物価変動、地殻変動、知覚過敏などによって違うだろうがかなり安いお菓子であることを知った。

 

 

 

78円でアライグマが捕獲できるのなら、と私はキャラメルコーンを買った。

 

 

 

そして旦那におとりの餌を変えるメリットを語り、餌を変えることにした。

 

 

 

餌を変更するには次のステップが必要である。

 

 

 

① 檻を持ち上げる。

 

 

② 罠の扉が閉まらないように固定したまま、餌の袋を取る。

 

 

③ 新しいキャラメルコーンが入った袋をくくりつける。

 

 

④ 檻を元の位置に戻す。

 

 

 

以上、4つのステップの中の、①、②、③、④を旦那が担当し、私は怪しいものがいないか周囲を確かめるという重大な任務に徹した。

 

 

夫婦の共同作業により、新しいキャラメルコーンの罠は設置された。

 

 

 

あとはこの檻の中に誘導するように、キャラメルコーンを檻の中と外にばらまいた。

 

 

 

この大変な作業をやったのは私である。

(私が何もやっていないことに旦那が気付く前に何かをしておこうと思ったのだ)

 

 

 

こんな風になっている。

 

 

 

 

我々は重大な仕事を終え、意気揚々と家に帰った。

 

 

 

それからすぐに私は奇妙な鳴き声を耳にすることになる。

 

 

 

外を見ると、向かいの家の屋根にカラスが止まっている。

 

 

 

三羽がカァカァ言い合っているのだ。

 

 

 


これはすぐにうちの家を狙っていると気づき、旦那に告げ口した。

 

 

 

旦那はさらりと身を翻し、小走りに庭まで出て行った。

 

 

 

ただ、不可解なことに、その時雨は降っていなかったにもかかわらず、旦那は大きな傘を持って庭へと向かったのだ。

 

 

 

旦那まで庭に出てくると、カラスも自分達が狙われると気づいたようで、余計騒がしくなった。

 

 

 

旦那が気付く。

 

 

 

「あっ、キャラメルコーン食べられてる!」

 

 

 

 

 

先ほどの写真と比べて欲しい。

 

 

 

カゴをアップにしすぎたことがよくわかる。

 

 

 

さらに私が巧妙に下に置いた(正確には投げた)キャラメルコーンがたったの二つになっていることも分かるだろう。

 

 

 

「あのカラスわっるいな〜。くそー、俺の怒りは頂点に達した」

 

 

 

これは旦那の口癖である。

 

 

 

怒りの頂点がかなり低いものと思われる。

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

三羽のカラスが飛び立ち、こちらに向かってきたのだ。

 

 

 

その瞬間、旦那は大きな傘をぱっと開いた。

 

 

 

傘からレーザービームでも出ると思ったのだろう。

 

 

 

一応言っておくが、こちら側に向かってきただけで我々を攻撃したわけではなかった。

 

 

 

 

そして、一羽のカラスは隣の家の屋根に止まった。

 


 

 


 

あとの二羽は場所を変えただけしれっと別方向を見ている。

 

 

 

しかし、この場所から離れない。

 

 

 

これからカラスとの根比べになる。

 

 

 

 

この晴れた休日の昼間、

 

 

なぜか大きな雨傘をさしている旦那と、

 

 

日焼け防止のための帽子&サングラスをして、じゃがりこを食べている妻(お腹が空いていたのだ)は

 

 

 

カラスと見つめ合っていた。

 

 

 

【続く】