私は、早く終わればいいと思ってた。


終わるっていうのは何もかも。朝、目が覚めるのが苦痛。部屋の中にいたって、学校に行ったって、何をしても考えるってことだけで全部苦痛。人と話したり、ましてや誰かを好きになるなんてありえない。

心を開いて、なんて馬鹿なカウンセリングの先生の話を聞くことだって、一生懸命暇つぶしなんだって考えてた。私が何なのか、小さいころはどうだったのか、中学校に入ったら、高校生になった時、いちいち全部思い出せって、それが一番の苦痛だって何でわかんないの?

先生がいい人だってことも苦痛のひとつだった。いつも笑顔、いつもゆっくり気長に話を聞いてくれる、絶対怒らない、いつも私の味方。


「何でそんなことするの!ほっといてよ!」


って言ってあげたら、すっきりしたのかな。

そんなふうにさ、先生のこと考えることだって辛かった。だから先生、先生を悲しませたくてこんなことしたんじゃないよ、私がそういうことに苦しみやすい人間だったってこと。

だから先生は悲しまないでね。めんどくさい患者がひとりいなくなったって思ってセイセイして。


先生がそう思ってくれてるって想像するのは、苦痛じゃない。


だから先生お願い、最後くらいは辛くないなって、苦痛じゃないなって思いたい。

ごめんね、本当は感謝してるんだ。本当だよ。


最後まで話を聞いてくれてありがとう。本当にごめんね、先生。