絶句 杜甫 (盛唐の人)

 

江碧鳥愈白
山青花欲然
今春看又過
何日是帰年

 

(書き下し分)

江碧(みどり)にして 鳥愈々(いよいよ)白く、

山青くして花燃えんと欲す。
今春(こんしゅん)看々(みすみす)又た過ぐ、
何つの日か是れ帰る年ぞ。

 

(意味)

川の深緑に映えて鳥はますます白く、山の青さに映えて花が今にも燃えそうだ。

今年の春もみるみる過ぎて行ったが、いつになったら帰る事ができるのだろう。

 

七六四年作。

この漢詩は、杜甫がふたたび成都の草堂に帰って、春をうたい、望郷の念をつのらせた歌です。

 

絶句とは、詩の形態であり、4行で書かれているものを絶句、8行で書かれているものを律詩といいます。

 

今年もまた見るまに過ぎて行くなあと思う忙しい現代人にも共感できる漢詩ですね。