春が終わり、夏の訪れのために雨の多い梅雨に入ろうとしている中、街から猫が消える。毎日暇そうにしている猫達は雨の間どこに身を寄せているのか。どこで何をしているのか。街から猫がいなくなると、毎朝猫と談笑しているお婆さんの姿、子供達が外で遊ぶ声も消え、活気さえもなくなっている気がする。 
 猫の寿命は平均16年。1日16時間睡眠しているそうだ。それに加え、雨の日は平均18時間程寝ている。平均16年しかない人生で16〜18時間寝ていると考えると、人生暇つぶしのために生きているのではないかと感じる。生産性のない暮らしをして、餌をもらう。生きている価値があるのか。と、バイトと大学に追われ続けている私はそう感じる。だが、木陰で寝ている猫を見ていると、「頑張りすぎも良くない。空気を吸って、自分のペースで頑張ろう。」と気付かせてくれる。周りは関係ない、自分の軸で生きるべきなのだ。
 これは私個人の意見だが、猫に癒しを感じる時は、自分自身が体力的•精神的に疲れているときだ。人間は下を見て安心する生き物だと感じることが多い。本当に疲れた時に、自分より頑張っていないやつを見て、「自分は頑張っている。こいつよりかはマシだ。」そうやって自分を正当化したくなる生き物なのだ。私はこれを人類普遍の法則の1つに追加したい。自分が疲れたと思ったら、猫と戯れて少しの癒しを得ることは決して悪いことではないと思う。1日の大半を寝て過ごしている猫を見て、自分を正当化してはいかがでしょうか。猫も怒らないはずです。きっと。
 最後に、みんな生きているだけで偉いんです。生活するためにお金を稼ぐのに、お金を稼ぐのにも所得税というお金がかかる。こんな生きづらい世の中で、何かを下に見て正当化することは、悪いことだと思いません。息抜きをしながら、上手に生きよう。「猫さん、ごめんね。」