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真面目に働くことの馬鹿馬鹿しさを知り、自分の地位が脅かされることにおののき、信じていたものには裏切られ…。5人の男女が心の軋みに耐え切れなくなった時、それぞれの人生は猛スピードで崩壊してゆく。矛盾だらけのこの国を象徴するかのような地方都市・ゆめのを舞台に、どん詰まり社会の現実を見事に描き切った群像劇。
…を読みました。この作家さんの作品を読むのは「邪魔」以来2冊目。
東北の片田舎にある架空の街「ゆめの市」 。そのゆめの市の福祉局で生活保護を担当する男や、新興宗教にハマるバツイチの中年女性、詐欺まがいの訪問販売業者に勤める元暴走族の男、3期目の当選を狙う町議会議員、引きこもり男に拉致された女子高生を中心とした群像劇。
ゆめの市は周囲の市町村合併で生まれた新しい街だが、それが景気で街が盛り上がるわけでもなく、大型ショッピングセンターによる商店街の荒廃、外国人居住者の増加による治安の悪化、生活保護費増大に伴う財政圧迫など、閉塞感に包まれ、先行きがまったく見通せないような街。
生活保護不正受給問題というとけっこうタイムリーな話題であるが、この作品の初出が1999年という事を考えると、平成の大合併でも地方都市の現状が良くならない点や、不正受給など先見の明があるとまでは言わないが、今読んでも古い感じがしないというか、今読んだほうがより実感がわくような設定。
作品としては・・・読んでいる間はひたすら不快。町の閉塞感に完全に飲み込まれてしまったような登場人物たち。そんな彼らの暗い情念に当てられてひたすら不快。
ラストのカタストロフを読むために、ひたすら不快な思いをしながら読み進める。そんな作品だと思いました。