漫画・アニメ「名探偵コナン」で
毛利探偵事務所を経営する私立探偵である毛利小五郎は
小学生が推理をしてしまうと
不自然極まりなく、また
自分の正体がばれてしまう可能性が
増えてしまう事を回避するが為に
江戸川コナン(工藤新一)によって
時計型麻酔銃を使って、眠らされてしまい
蝶ネクタイ型変声機を介して
小五郎の声色を利用して推理を展開していく。
つまり小五郎は、ただの箱のようなものとして
悪い言い方をすれば
利用されてしまうのですが
事件が迷宮化しないという観点に立てば
大いに貢献しているとも言えなくはないのです。
先日放送されたアニメ回では
プロレス大会が開催され、レフェリーとして
リングに上がった小五郎に対して
コナンが麻酔銃を発射。
ふらふらと後進するのに合わせて
リングサイド下に、タイミング良く丸椅子を用意し、小五郎は
そこへと腰を下ろす結果となったのですが
その姿たるや、まるで
あしたのジョーのラストシーンにおける矢吹丈のようでした。
麻酔銃を放つにあたって
考慮しなければならない
ファクターとして挙げられるのが
「小五郎の重心」、「風(風速、風向)」、そして
「座る場所や、寄りかかる事のできる場所があるか」でしょうか。
他にも、必要な要素があるかもしれませんが
ただでさえ、不自然な状況の中
最終的に収まる場所を
計算する事は必須であり
ピタゴラスイッチ的な思考が求められる事は
言うまでもありません。
麻酔銃を以って
意識が飛んだ状態となる訳ですから
その様を形容して、推理姿を
「眠りの小五郎」と世間では評されており
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで
次々と難事件を解決するわけですから
テレビから、睡眠薬の
CMオファーも届くという訳です。
前のめりのまま倒れてしまう事もありますが
基本的には、首が落ちるので
口が動いていないなどの表情を見られる心配がないのも
このスタイルを貫く事のできる
最大の要因と言っても良いでしょう。
名探偵コナンが人気漫画・アニメであるが故に
連載回数を重ねる毎に
必然的に推理の回数が増える
すなわちそれは、麻酔銃で撃たれる回数が
増えるという事を意味するので
Youtube等では、麻酔銃を打たれたシーンを
まとめたものを、アップされているという状態です。
基本的には、小五郎がターゲットとなる訳ですが
小五郎がいない時は、鈴木園子(「眠りの園子」「推理クイーン」)や
山村警部が代打になったり
追いつめられた際に、犯人に放つ事によって
難局を逃れるという使い方もあるのです。
しかしながら、コナン側の観点から
百発百中で成功するとは限らず
フェードインしてしまう形で
別の人物が入ってきてしまったり
針が体内に入りこむ深さによっては
完全な効果が発揮できなかったりというパターンもあり
「至近距離にいる相手を
瞬時に眠らせる事ができる」
と銘打たれている訳ですし
打つ瞬間を、見られる訳にはいかないので
物陰に隠れた状態でのスタート
そして、推理披露ではお馴染みの
犯人の可能性がある人が
集められている混雑の中で
少しでも開いた狭いスペースを
間隙縫う形で狙わないといけない場面も
すべてではないですが、存在する為
本番という緊張状態での、高い集中力を求められるのも確かです。
また象が、30分寝るほどの効力を有していながら
銭型警部が、30秒ほどで目を覚ましてしまうなど
なかなか掴みどころのない場面もあるという事は
肝に銘じておかなければなりません。
基本的には、うなじあたりに打ち込まれますが
眉間や手首、膝、お尻など
シチュエーションによって
別の箇所に打たれるシーンもあり
その後の小五郎に、副作用等の症状が現れている事は
今の所ないようですので、基本的には
どこに打っても問題はなさそうではあります。
初期の頃と比べると
耐性がついてきているのか
即落ちしない場面も見られ
何とか耐えようとしているのか
ダンスをしているかのように
フラフラしている時間が、多少長くなっているような気もします。
しかしながら、この動作が推理の始まり
つまりスイッチである事が
周囲に段々と知れ渡ってきた為
目暮警部なども
「おぉ、来たか。待ってたぞ」という
セリフが思わず漏れてしまうまでに発展しているのです。
お酒の飲み過ぎで、酔いが回ったと
勘違いするパターンもありますが
意識を失う直前を、自覚している様も見られ
ビールを飲んでいる最中に来た時は
「せめて、一口飲んでから来てほしかった」と漏らし
コナンが小五郎の暴走を止める為に
変声機を使って、小五郎の声を使った時は
「待て待て、あらぬところから
俺の声がした後は
いつも首筋が、チクッとして」と言いながら
両手で、首の裏を防御する姿勢を取ったものの
直後に、眉間に打たれてしまい
「そういや、額の時も…ありゃほりゃ」と
対策を講じたものの無念、
結局眠らされてしまう
という憂き目に遭ったのでした。