江頭2:50の「あっ、バイトの時間だ」を考察する。 | 世界の中心で人間以外が叫ぶ

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お笑い芸人などの一発ギャグや決まり文句について考察しています。

[出演終了のアクション ~取って、入れて、出す~]
突然に登場し、風の如く去る。
今まで暴れ回っていたのが嘘であるかのように、急に冷静を装って
何かを思い出したかのように
腕を上げ、手の甲を見ながら
あっ、バイトの時間だ」と言った後
大股で現場から走り去っていく様が、カメラで捉えられます。
時間に追われ、一応は急いでいるようです。

最近では、次の仕事が入っている為
「この出演者の出演は、ここまでです」というやり取りが
そのままオンエアに乗る事も珍しくないのですが、同じ芸能関係の仕事ではなく
バイトである事をアピールするというのは、特殊とは言えます。
他に仕事が入っているというのは、自ら言いづらい事ではあるので
本来は共演者によって言ってもらうのが一般的ですが、江頭は自ら言ってしまうのです。

時間を確認している事をアピールする為の動作ではありますが
腕時計はしていないのが、はっきりと映っています。

これでは端から見れば、「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る」
(石川啄木)と勘違いされても、おかしくはありません。

そして「あっ」という、あまりにもわざとらしい惹きつけワードも見事に決まっています。
マッチポンプ的に、事態の収拾をはかる(?)かのように
流れを切る形で、自ら切り出します。
類型として、ユリオカ超特Qがネタの締めに使う「発車の時刻です」がありますね。
 

 

 



誰にも真似できないジャンルを確立した(?)江頭と、「バイト」というワードに関連性について
この「あっ、バイトの時間だ」というフレーズ自体は
本人もお気に入りなのか、かなり長い期間使用しており
今も掛け持ちをしているとは到底考えられないのですが
多少なりともそういう雰囲気を持ち合わせているというのが、くすぐりとなり笑いになります。

突然暴れられた側の共演者も反論し、反撃したい気持ちはあるものの
話の骨を折るように、一方的に攻撃を加えたかと思えば
ある種の空気を読んで、流れが変わる前に立ち去る為の
最もらしい(?)理由付けが伴ったワードを、一方的に言い放ち
反論の余地を一切与えず、そのまま走り去る
という
強引ではあるものの憎めない所作が、長く続く理由の1つなのではないでしょうか。