野々村竜太郎(兵庫県議会議員)の「記者会見」を考察する。 | 世界の中心で人間以外が叫ぶ

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[政務調査費]
兵庫県議会議員である野々村竜太郎が、年間195回の日帰り出張交通費(政務調査費)
について、3時間以上にわたる記者会見
を開きましたが
おもちゃコーナーで、おもちゃを買ってもらえなかった子供のような
奇声の入り混じった号泣部分が話題となりました。

47才のいい大人である、しかも議員という立場の人間らしからぬ振る舞いが
クローズアップの対象
となり、号泣部分だけがネタ化されるのは
マスコミを含めた視聴者がピックアップしてきた今までの流れを見ても
不思議な事ではなく、号泣部分以外では
記者の質問に対しての答えが明らかに適切ではないという意味で
異常であると言えますが、あくまで外見に関しては至って普通です。
この号泣について笑いを以って迎えるのか、それとも怒りを以って迎えるのか。
号泣部分以外にも目を向ける事で、その考えも変わってくるのではないのでしょうか。

最初に、野々村議員側から「私も真摯に質問にお受けしたいと考えておりまして
昨今ヤジ、失言、暴言というものが社会問題になる中
質問にかこつけた暴言や恫喝という形で、私が怖いなと感じた時点で
この記者会見は打ち切りにさせていただきます
ので
何卒、平常心をもって質問をしていただけますようにお願い申し上げまして」と発言。
恋愛が発覚した芸能人などがいる場合に、主催者側が
「イベント関連の質問以外が出た場合は、即座に会見を中止させていただきます」と
牽制するかのような対処方法で、挨拶代わりのジャブを放ちました。

この手の会見における「質問にかこつけた暴言や恫喝」というのは
確かに共感はできますが、逆に「ヤジ、失言、暴言という社会問題」
にかこつけている、いやらしさ
が垣間見え
また最大のフリとなる「平常心」というフレーズも、この時点で飛び出しています。


[記者会見の内容]
決して最初から号泣していたわけではなく、それはむしろ3時間の一部でありますが
記者会見としては支離滅裂なものであったと、まず言っておきましょう。
質問の対する答えとして成立していないというのが最大の特徴で、例えば
「平成25年度は駅でいうと4箇所、これをそれぞれどのルートで
行かれたのかというのを説明してください」という
本当に出張へ行ったのかという確認をする質問に対し
一度目の答えが「(政務活動費は)実費を報告すれば足るという考え方に基づきまして
適正に処理しているという風にお答えさせていただきます」
その差異を指摘されてもなお、「報告書に記載すべき事項要領につきましては
議長からは配布されております手引きに従いまして報告させていただいている
という事でございますので、それ以上の詳しいルートにつきましては
報告の必要がないという要領になっております」という答えしか返ってこず
お金的な問題だけでなく、言葉としても無駄が多く
結局何を言いたいのかが伝わってきません。

また、「私が記録していたのは行き先と金額のみでありまして
どこの駅に乗ったとかそういうものについて記録は取っておりませんでしたので
ご案内の手引きで、できるだけ報告書に取られる時間を軽減して
他の政策提言や議員活動に割り振る
ため、私自身鉄道には
あまり詳しくないという事もあり、あくまで金額と行き先を記録したのみでありまして
(中略)どういうルートを通ったかにつきましては、(中略)お答えすることはできません」
と答え、(中略)部分でも「記録していたのは行き先と金額のみ」
「鉄道について詳しくない、関心も払っていない、無頓着」を繰り返していました。

記録になくても記憶に残りませんか?(城崎温泉に)102回も行ったら」という記者の追及には
私は、電車に乗る為に政務調査活動を行ったわけでありませんで
あくまで先方に行き、政策教示や意見交換を行うというのがすべての目的である

と、ようやく答えらしい答えが飛び出したものの
こんなに記憶力が悪くて、議員が務まるのかという疑問は残ります。
その調査内容については、「調査先の相手様から公表しないでくれという約束を前提に
政策享受でありますとか、意見交換をさせていただくという事で
政務活動費を支出させていただきました」という理由で公表できないそうです。

「金額的には、グリーン車に乗って行った金額になるんですけれども
それでよろしいですか」という質問に対しては、「なにぶん調査先での意見交換や
政策享受を受ける為、到着してすぐに元気いっぱい活動できるように
もったいないとは思いながらも、岡西記者のご指摘の通り
グリーン車の金額で先方に伺いました
」と、別にそんなところで
守りに入らなくてもよく
、わざとノラリクラリと交わしている可能性もありますが
あくまで本当に行ったのかというのが焦点である事を
どうも本人は認識していないようです。
一向に進むことのない内容に、特に記者会見の現場にいる記者のイライラが
想像できるものの、冒頭の「記者会見打ち切り」に関する事項が障壁となっているのか
平行線の様相ではありましたが、記者の質問数がジャブとして効いていたのか
ついにその牙城は崩れ、例の号泣へと繋がった
のです。

号泣中の最後には、「議員という大きなくくりの中では、ごくごく小さいものなんです。
ですから一大人として、なんとか折り合いをつけさせていただきたい
」と言い放ち
まるで、この騒動をなかった事にしてほしいという趣旨の発言をし
「(移動費及び政務調査費の)訂正返納につきましては
まずは事務局と相談させていただいて」と、なぜ嘘でも
全額返却すると言わないのか
、理解ができません。

しかも、感情的になってしまった事に対し
「最初に記者会見で私自身、感情的にならないように記者の皆様に
ご注意申し上げましたのに、自ら感情的になりましたと
ここでお詫び申し上げて、記者の質問にお答えします。
まことに感情的になって申し訳ございませんでした」と起立した上で、頭を下げるという
いわば見せ場
ではあるものの、その部分についての謝罪は誰も求めていない故
シャッター音がほとんど鳴らず、フラッシュが焚かれない
事態となっていました。