嗣永桃子(Berrys工房)の「許してニャン」を考察する。 | 世界の中心で人間以外が叫ぶ

世界の中心で人間以外が叫ぶ

お笑い芸人などの一発ギャグや決まり文句について考察しています。

[使用方法]
バラエティ番組「めちゃ2イケてるッ!」で行われた
「AKB48以外だらけの大運動会」で、その破天荒っぷりがクローズアップされ
自らを、「可愛い」と言い切ってしまうアイドルキャラである嗣永桃子(つぐながももこ)。

必殺技として、言い方の可愛さとは裏腹に
スタンド状態での強烈なヒップアタックを敢行する「桃アタック」や
小指を立てて、ターゲットにした相手を
メロメロにする「こゆビーム」を有していますが
謝罪する際に、使用する台詞が「許してニャン」です。

「許してニャン」と言いながら両肘を上げて、拳は頬の横あたりに持ってきて
手を丸めて、猫の手の形を作ります。
謝罪と激怒という意味ではスタンスの違いはあるものの
さとう珠緒が、自分の両手をじゃんけんのグーの形にして
頭上に持っていきながら、上目遣い・可愛い声で言う
「もお~っ!ぷんぷんっ!!」に、近い形と言えるでしょう。

語尾は「ニャン」という、アイドルを十二分に意識したもので
言葉からは許してほしいという意思は垣間見えますが
本当に自分が悪いと思って謝罪しているというより、ただ言葉に出しただけ
言ってしまえば、可愛く見せるという
自分のアイドルとしての仕事をしただけ
とも考えられます。


[使用例と、クイックツッコミについて]
ゲストとして出演した、先日放送の「ほんまでっか!?TV」では
就職に有利にする為に、「ハンサムからブサメンに整形する男性がアメリカで増加」
というニュースで、その考えが理解できないという空気が会場に流れている中
あー、でもすごいももち(自分の事を「ももち」と呼んでいる)分かりますぅ。
と入ってきたかと思えば、「可愛いから、いろんな人から嫉妬されちゃうことも多くってぇ。
ももちが可愛い過ぎるあまりに、他の女の子が
『まじ、ももちウザっ』とか言ってくるからぁ
そういう面では、ちょっと罪な女かなぁと思います。
」とコメント。
そのブレないアイドル像は、さすがとしか言いようがありません。
また『まじ、ももちウザっ』の部分で声色を使い分けていたのも、面白かったです。

その後、司会の明石家さんまに「ももち、この番組は今日で最後という事で。」
と言われてしまった際は、「嫌だぁ。」と拒否の姿勢を見せましたが
すぐに、自分のフィールドに引き込む方向に切り替え
「ももち、もしかして場の空気乱しました?」と謝罪の流れに持って行き
さんまが「乱してはいない。」とフォローするも
自ら「乱しちゃったかぁ。」と深刻そうな顔を見せて反省しつつ
「じゃあ、ちゃんと謝りますね。」と言った後、「許してニャン。」で締めました。


この時は、隣にいた同じくゲストだったマツコ・デラックスが
手のひらで顔にツッコミを入れるという流れでしたが
この「許してニャン」の場合は、クイックのツッコミが必須とも言えます。

これは、速攻でツッコんでしまうという事で
ダチョウ倶楽部の上島竜兵がボケた後に、「見切り発車かよ!」などと
間髪入れずに肥後克広がツッコむのと同様に、変な空気が会場を支配する前に
決着をつけてしまう
というものです。
Berrys工房の他のメンバーも、この流れを嫌というほど見せられているので
「許してニャン」を言う前に、止めに入るなどのバリエーションも色々とあるようです。


[強引に、謝罪へ持っていくスタンス]
しかし、それをも振り切ってやってしまうのもスタンス
他にも「ケガしなかった?痛かったよね?」と言って
相手が「全然、大丈夫。」と労いを見せたとしても
自分としては最後までやりたい訳だから、「痛かったよね?」と同じフレーズで被せ
最後は結局「じゃあ、ちゃんと謝るね。」からの「許してニャン」となります。
あやまんJAPANがやるように、合わせて深刻そうな顔を見せておくのも
最後の可愛い顔とのギャップで、笑いを増幅させる効果
があります。

一応、相手との関係によって
「ちゃんと謝るね。」「しっかり謝りますね。」と
言葉遣いを使い分けている
のは理解できますが、場合によっては相手を逆なでしかねない
「許してニャン」は、関係なく敢行していきます。

自らを「可愛い」と言ってしまうキャラは、道重さゆみ(モーニング娘。)もそうですが
こういう特に、女性に嫌われそうな立ち居振る舞いが広い心で見られるようになり
笑いの要素としても、視聴者に迎え入れられるようになったのは
さとう珠緒が、大きな役割を担っていた
のではないかと思われます。

さとう珠緒の場合は、その前から存在していた安めぐみや小倉優子のように
ゆっくり喋る事で、男性の心を刺激するというものではなく
笑いを取るという前提はあるものの
分かりやす過ぎる上目遣いや喋り方などの露骨すぎるアピールが
特に、女性視聴者の反感を買ってしまった訳ですが
この先駆者のおかけで、視聴者の目が慣れていたという一面もあるでしょう。