ー覚え書きー

 

登場した本

 

ウィリアム・フォークナー「野生の棕櫚」

幸田文「木」

パトリシア・ハイスミス「11の物語」

 

劇中に流れた曲

 

The Animals “House of the Rising Sun”

The Velvet Underground “Pale Blue Eyes”

オーティス・レディング “(Sittin’ On) The Dock Of The Bay”

パティ・スミス “Redondo Beach”

ルー・リード “Perfect Day”

The Rolling Stones “(Walkin’ Thru The) Sleepy City”

金延幸子“青い魚”

The Kinks “Sunny Afternoon”

ヴァン・モリソン “Brown Eyed Girl”

ニーナ・シモン “Feeling Good”

 

参考

 

 

 

港町の古いアパートに一人暮らす60代の男性を知っている。

長年続けた酒屋の配達仕事を引退した後はじめは毎日酒を飲んでいたが、

体を壊してからは酒をやめて1日1冊、文庫本を読む生活をされている。

野菜炒めなどの簡単な料理もして、

山奥の今は誰も住まない実家の庭の草木の手入れに行く。

口数は少ないが、実のある人物だ。

若い頃、東京で暮らし家族もいたと聞いた。

映画を観ながら、

私はなんとなく気が合うと思っているその方のことを思い浮かべた。

 

映画の平山は毎晩の外食・週末のスナック・銭湯など結構浪費家だ。

夕方、まだ明るいうちに銭湯に一番乗りするって最高だろうなぁ。

 

映画は、「影」がキーワードになっていた。

光と影の間への眼差し。

存在するものと光のダンス。

複雑な屈折や回折が重なり、風に踊り、美しい。

光だけ、影だけを見つめるのではない、味わい深さが映画にはあった。