虎は目覚める | 平井部

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 平井和正全作感想シリーズ3

  『虎は目覚める』


『悪夢のかたち』の感想を書くのに、「ヒライスト ライブラリー」を参考にさせてもらってたら、処女短編集『虎は目覚める』に、ここだけでしか読めない短編が二篇収録されていることをしって、思わずぽちっと注文してしまいました(^_^)。











 裏表紙の平井先生、若々しい!!


 にしても、思い立ってすぐにゲットできてしまうこのネットの安易さ……。収集欲が減退したのは、レジェンド的なヒライストの先達たちと知り合いになれたこともありますが(^_^)、やっぱりこの安易さが要因かも。古書店で出逢えた時の喜びとはぜんぜん違いますしね。


 プラス、ぜんぜん高騰してないことにも深く憤り……。


 もっとオレに金を使わせ~っ!!!


 まあその分、キンドル本にまわしましょう。




 で、この本オンリーの収録作は以下の二篇。



『マリア』

 題名からして、聖母的な話なのかと思いきや、ぜんぜん違って(^_^)、木星探査船に、本社からのサプライズで美女の特A級セクサロイドが乗せられていた……っていう内容でした。

 こ、これは深い!

 だって自分の想い人(物?)を、仲間たちと共有できるか? って話しやないですか。

 ぼ、ぼくは無理かも……。
 それは嗜好として、“共有”とか“交換”とか好きな人もいるでしょうが、普通、閉鎖空間で一人(一個?)しかラマンが居なかったら、それは闘争が起るでしょうと。もしかしたらそれ目当てで本社のMはマリアを乗せたのかも(^_^)。

 C級アンドロイドで良いから、用意するなら人数分は乗せて欲しいと思いました。




『闇からの声』

 これは、『悪夢のかたち』や『死霊狩り』に通じる「不定形異星人もの」ですが、直接的な世界の繋がりはないように思えます。ここで初出した「不定形異星人」というモチーフをさらに膨らませて深化させたのが「ゾンビー」だったのかも知れません。

『悪夢のかたち』に関しては、著者自身がインタビューにおいて「よく覚えてない」と発言しているのですが、きっとインスピレーション型の物語だったのでしょう。



 
 他の収録作も名作の目白押しで、個人的にイチ推しの『次元を駈ける恋』ってこんな初期に書かれてたんですね。この辺りは他の短編集に収めされてますんで別に書きます。



 それにしても、処女短編集の題名が『虎は目覚める』って、平井和正に相応しすぎやないですか!!!

 
 やっぱレジェンドは現象がことごとくシンクロしてくんですね。すごいや。