奇跡を体感せよ!! 生賴範義展 | 平井部

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 先週ですが、ゆっくり時間が取れましたんで、思い切って鹿児島宮崎を旅してまいりました。

 ほんっとに天候にも恵まれて、聖地をあちこち回れて、心のメモリー・オールモスト・フル 状態なんですが、詳細はおいおい書かせてもらうとして、まずはメイン目的の一つである『生賴範義 展 The Illustrator』をレポしたいと思います。


 いやあ、凄かった……。
 ほんっとに……(涙)。

「奇跡を体感せよ」っていうキャッチコピー、ダテではなくって、真に奇跡そのものでした。あのレベルの作品群を、あんな短期間に創り出されてたなんて……。




 この日はお昼過ぎに宮崎着。
 予約してたホテルに車を停めてから、歩いて数分の宮崎アートセンターへ。

 たまたまルートに選んだアーケードには、しっかり生賴範義展の垂れ幕がかかってました(^_^)。気分上がります!!!







 宮崎ではかなり盛り上がってますようで、テレビCMも放送されてた様ですね。



 宮崎アートセンター裏側。(帰りに撮ったんで夕陽で紅いです)





 表側。











 このベガと後でツーショット写真撮りました(^_^)。



 
 どきどきしながらベガの方のエレベーターで5階に上がると、いきなり目の前は会場。

 無料コーナーは後で見ることにして、先に本展の方へ。ぼくはカレンダー付きチケットゲットしてましたんで、無事めっちゃ美麗なゴッデス・カレンダー頂けました(^_^)。グッズ類はまた別にアップ致しますです。



 会場入って自画像の次は、ゴジラコーナー
 とりたててゴジラ好きな方ではなかったんですが、やっぱ男子なんですね、大迫力の怪獣絵画に喜びまくる少年が心の中に(^_^)。
 生賴さん描く所のゴジラは、まさに破壊神。禍々しく、悲しげで、そしてたまらなく美しい……。個人的に『ファイナル・ウオーズ』のゴジラがすごく好きでした。


 順路的には次が小松左京コーナーでしたが、ちらっと幻魔イラストが見えてもう我慢できなくなって、平井和正コーナーへ。

 ああっ、角川幻魔のあのイラストの原画がここに……。

 20巻の三千子姉様のイラストとか、もうっ(涙)。美しすぎるやないっすか!! この流れる黒髪と宇宙の緑(“生賴グリーン”と呼ぶらしい)の絶妙な溶け合い具合は何なんですか。誰かこの絵ご本尊にしてお寺造って下さいよ、拝みに行くから!!

『サイボーグ・ブルース』のアーネスト・ライトのブラックな美しさ、『死霊狩り』のライラ・アミンの突き刺すような視線とセクシーな唇、『アンドロイドお雪』の蠱惑的な瞳、『虎は暗闇より』の毛が一本一本描き込まれたリアルすぎる虎……etc.etc.....


 中でも惹かれたのがエレベータにもなってた戦士ベガのイラストです。
 全体的なバランスは勿論、パーツパーツごとの造作も完璧に美しくって、間近に寄ったり離れてみたりしゃがんでみたりで、30分ほどこの絵の前から動けませんでした。凄かったです。



 小松左京コーナーは、絵そのものは勿論、氏と生賴画伯との関わりが分かって、いろいろ興味深かったです。氏の遺影には画伯の絵が使われたとのことです。


 コーエーのゲームイラストは、80年代後半から90年代始めにかけて描かれたものが多く、「歴史シミュレーションもの」がヒットして世に浸透するのに、画伯の魅力的な絵が大きな役割を果たしたのは間違いないようです。信長とか秀吉とか、このイメージで映画作って欲しいなあ。


 SFコーナーを経て、吉川英治の宮本武蔵コーナー。こちらはペン画で、黒白の魅力。チラシにもなってる武蔵の力感溢れる描写などは言うまでもなく。挿絵は旧き良き時代の絵物語風に描かれておりまして、ぼくはテキストオンリーのリブリエ版で読みましたが、この挿画があればさぞかし空想も膨らんだろうなあって思いました。


 次が人物画コーナーでして、こちらの大平元総理の写真よりも生々しい筆致とか、興福寺北円堂の無著、世親(むちゃく、せしん)像を想わせました。リアルすぎて逆に非人間的なんですね。凄いってば……。





 入り口付近に引き返して、もう一回ざっと観賞してから、階段を下りて4階部分の展示へ。

 こちらはまずSFアドベンチャーの表紙を彩った女神たちのイラストから。

 写真撮影OKで、フレームにガラスもはまってなかったので、印刷かな? って思いきや、しっかり原画でありました……。











 これ……あのっ……凄すぎるんですけれど……。

 SFAやから月イチでこのレベルの絵を90枚以上も描き続けられたってことですか? しかも他の大量の仕事をこなしながら?? これを“奇跡”と言わずして何と言いましょう。

 女神一人一人にしっかりストーリーがあって、下絵を書いてポーズも衣装も何度も何度も熟考された様子が、中央ガラスケース内のスケッチブックから伺い知れて……。真の芸術家の強烈な意志に、触れることができました。正直、ショックでした。



 個人的に一番惹かれたのが、この女神。




 バイエルンのユーディテ。
 マイコさんにそっくりでマイ好みのツボにぴったりで、ベガとはまた違った理由でしばらく前から動けませんでした(^_^)。ポストカードは買いましたし、カレンダーにも使われていたので嬉しかったっす。



 呆然としながら、スターウオーズのコーナー、映画ポスターのコーナーを過ぎて。


『復活の日』コーナーは、米国の映画スタッフに向けたイメージイラストだった様ですが、それにしては凄すぎます(^_^)。もう映画作らんとこれでええやんって感じでした。


 戦記物のコーナーに至る頃には、見始めてから三時間をかなり越しておりまして、体力的に限界に近かったです(^_^;;。


 最後に展示されていた大作、人間の輪廻を表現した『サンサーラ』をゆっくり観賞して、心身ともに痺れたような状態でとぼとぼと会場を退出。




 グッズを選んでから、後回しにした無料コーナーに行こうとしましたら、5:30過ぎててエレベーターが5階に止まらなくなってしまってて(^_^;;、会場を逆行させてもらって無事観賞することができました。













 原画や情報を見てからの方が、個人的には楽しめましたかも。




 心から楽しみにしてた生賴範義 展。凄かったです。思い切って行って、本当に良かったです。

 恥ずかしながらわたくし、この生賴範義という画家を、過小評価してました。こんなに、こんなに凄い方だったんですね……。


 大好きな平井和正の小説を通じて、最も多感な時期に、生賴画伯の無窮の絵の世界に触れられたこと、本当に幸せだったと思います。