大満足で正暦寺を出発し、またまた歩きで弘仁寺に向かいます。

サムネイル用に、先に弘仁寺境内でっす。
行きの円照寺経由とは別ルートですが、のどかな田園風景でこちらの方が変化には富んでますね。

道端にいらした泣き笑い地蔵さま。
休憩を入れつつ、50分ほど(^_^;;かかってやっと「弘仁寺参道」の表示発見。徒歩参道の表示に従って行くと、先に奥の院に出ちゃいました。

薄暗くって、少し怖いような雰囲気。
石に彫られたお不動さまが祀られています。ご神気を感じつつ、しばりお参り。
右手の水場「閼伽井戸」は、空海さんが三鈷で掘られたという伝承があり、眼病などに各種功徳があるとか。
さらに石段を上り、上り切ると弘仁寺山門。


こちらの紅葉も奇麗でしたが、お昼過ぎから曇ってきてましたので、先に本堂にお参りすることに。特に受け付けとかはないのですが、庫裡の方で働いてらした女性に声をかけると、昇殿させていただけました。

二層造りの巨大な本堂。

「自分の為に開けていただいてる感」に漲りつつ堂内へ。照明とか一切ない感じがさらにどきどきをかき立てます(^_^)。
見ている前で御簾がくるくると上げられて、ううう、いらっしゃる……
懐中電灯を貸してもらって、ゆっくり光を当てると、おお~っ、ちょっと百済観音さまを想わせる公家的な表情レスのお顔が、ぼ~っと浮かび上がって。
ご本尊の虚空蔵菩薩さま立像。像高は2m以上あって、暗がりにほわっと立ってらっしゃるとかなりの迫力です。御簾で、上半身くらいしか拝見できないのですが、宝冠を被ってらっしゃる以外は目立った装飾はなく、もとは金色でらしたのが、剥落したのか護摩炊きのせいか、ほとんど黒っぽいお姿です。
虚空蔵菩薩さまがご本尊のお寺って、かなり珍しいそうです。こちらはこのお山自体が虚空蔵山になってますからね。
脇侍は、お厨子の脇に四天王さまがいらっしゃいますが、内の二天と外の二天はそれぞれ、平安、鎌倉の造りなんだそうです。元々脇侍として二天だけだったのが、後でプラスして四天王にしたと。
この四天王の背後には壁画があって、はっきりは見えないものの、かなり美麗なのは分かりました。
その向かって左側にも仏さまたち。
中央の梵天さま、白っぽいお姿でまろやかさが素敵。
一木造りのプリミティ仏さまでした。
その右の子安観音さまは、左手に赤子を乗せてらして、お顔がまたなんとも慈愛に満ちた良い表情をされてまして。美しい……。
厨子の右側には、四十二歳のちょっと若々しい空海さんがいらっしゃいました。あんまりえらが張ってなくって丸顔でした。
それからしばし、境内散策。
樹々の間に見える黄色に惹かれて上ってゆきますと、銀杏の広場がありました。
ギンナンいっぱい落ちてまして、あのえもいわれぬ香りが立ち上りつつありました(^_^)。

境内に引き返して。
こちらの紅葉は、まだ赤に染まる前の風情が楽しめましたです。



最後に、本堂の隣りの明星堂にお参り。

明星天子像は秘仏(奈良国立博物館に寄託?)で拝観できませんが、写真を見ると、僧形で、かなり気合いの入ったお顔をされてて、何も言われなければお地蔵さんとしか思えないです。
このお堂には、役の小角や大日さまもいらしたようなのですが、格子から覗くことしかできず、うっすらお姿確認できただけでした。
この頃から再び晴れてきまして、お堂に光が射し込んで、右側に祀られている大黒さまをさ~って照らしたのが印象的でした。なかなか凛々しい大黒さまで、しっかりお参りしておきました(^_^)。

ご朱印。

帰りぎわの山門。
さて、ここからJR帯解駅までさらに小1時間の歩き行程で(^_^;;;。
行きはまあ目的があるので良いんですが、帰りで何も無い田んぼの中の直線路をひたすら歩くのはめっさ辛かったです(涙)。
車だとさらに大安寺を入れ込めたと思うんですが、まあ良いエクササイズになりましたです。
ちなみにバスだと、最寄りのバス停で4時間に1本程度。国道169号沿いのバス停だと、本数はありますが、3キロほど離れてまして、やっぱりタクシーか自家車がお勧めですね。
そんなこんなで、今まで全く未チェックだったこの奈良の山沿いゾーン、凄かったです!! ったく、奈良って、どんだけポテンシャル秘めてるんすかっ! 見仏の道は果てしないってこと、改めて思い知りましたです(合掌)。