先週になりますが、京都市内中心部より少し下った(南下した)辺りにあります、安楽寿院にお参りしてきました。
地元民ですらあまり知らないこのお寺、初見は、大河ドラマ『平清盛』のラスト数分コーナーでした。創建は鳥羽上皇で、念持仏として信仰されという阿弥陀如来さまもいらっしゃるということで。わりあい平坦な今回の大河の中、三上博史さん熱演されるところの鳥羽帝が、すっごく印象に残ってましたんで、これはお参りせねばなりますまいと。
この辺りはかつて、鳥羽離宮があった場所で、鴨川の流れも今と違って、大きな池もあったりして、貴族憩いの水園としてかなりの規模を誇っていたようです。
現在は、西に国道1号線に京都南インター、東に国道24号線や近鉄線地下鉄線などがあって、交通の中継点みたいな印象が強いですね。少し東の伏見の辺りが、今も賑わっているのと対照的です。
24号線を西に折れるも、ちょっと道は分かり辛かったです(^_^)。
まず目に留まった北向不動尊に、お参りしてみることに。
昇殿させていただけましたが、お厨子は閉じられていて、お不動さまのお姿を拝することはできませんでした。

境内、そこここに石仏が。
裏の小さな滝場には、役の小角さんがいらっしゃいました。


安楽寿院はそのすぐ東ですが、正門みたいなものはないので、ちょっと分かり辛いです。
一番目立つのは新御塔で、これは近衛天皇陵ですね。
その横に、書院、阿弥陀堂、大師堂、など小さなお堂が並んでいて、一番左に真新しい収蔵庫があります。拝観できるのは、この収蔵庫だけです。
境内の様子

収蔵庫

ガラスケースの中に、鳥羽上皇、美福門院、八条女院、の三幅の画があったりしつつ、中央のお厨子の中に、金色の阿弥陀如来さま。
すらっとしたお身体が印象的な、すごく奇麗な阿弥陀さまです。
ほぼ人間比等身大。平安時代のお産まれなのに、鮮やかに金色が残っています。鼻筋が切れそうなくらいに通っていて。
鳥羽上皇の念持仏であったということですから、もしかしたらご臨終も見つめてらしたのかも知れないですね。
収蔵庫の外部に、近郊でみつかった鳥羽離宮の礎石が並べられていました。

鳥羽上皇の陵墓は、そのすこし北側。
ドラマでご臨終の様子を観たばかりでしたので、いろいろ考えながらお参りしてしまいました。
息子である崇徳帝が、ご臨終直前に訪れたのに、ついに対面させてもらえなかったという、あの切ないシーンも、此処で現実に起ったことなのでしょうか。
平安時代って、なぜか心の琴線に触れるものがありまして、しかも地元民で、現場検証ができたりしますので(^_^)、『平清盛』これからも興味深く見せてもらおうと思います。
安楽寿院の収蔵庫拝観は、5月27日までのようですので、興味を持たれた方はそれまでにぜひ。