間の二十八部衆を眺めつつ、だんだんと中央に寄り、次の厨子へ。
扉の陰からうっすら見える千手さまのお顔……。
思い切って御前に寄り、見上げると……
ふんわり
ふんわり
き、きれい……。こんなに奇麗な方やったなんて……。
灯明が反射したものだとは分っているんですが、その時ぼくは確かに、千手さまの両眼が意思を写してきらきら光ったように感じました。
たくさんの悲しみを、裡に秘めた優しさ……。
人が少なくなると、正座して下から眺め、人が混んでくると端に寄って遠くから眺め(^_^)、かなり長い間千手さまの御前で過ごしてしまいました。
描写は、あまりにももったいなさすぎますので、控えさせていただきます……。やわらかすぎて、物質ではないのかも、なんて本気で考えてしまうくらいでした。
最後の厨子、なんと武具に身を固めた将軍地蔵さまいうすごく珍しい仏がおわしたんですが、正直ご本尊にお目通りした衝撃が大きくって、心そこにあらずでした。
こちらの三つのお厨子は、それぞれ国宝に指定されているのに、内部の仏像は、秘仏で撮影も厳禁で、調査が及ばない為に国宝にはなっていないとのことです。
勿論、指定されてるかされてないかなど、この「マイ感動」の前には関係なく、すばらしい方にお逢いできた感動は、いつまでも裡に留まり続けました。
一礼して、三週間くらい滞在したい感じのお堂を後に。ハイになってたのか、ご本尊の御影(写真ではなく絵画)1500円を、奥の院の坐像千手さまのと合わせてゲットしてしまいました。今観てみたらすごい格好良~! 坐像千手さまの御開帳は、数年前に行われたようで、その際にはみうら&せいこうの見仏コンビも参拝されたようですね(^_^)。
清水の舞台よりすこし景色を眺め、御朱印を書いてもらい、阿弥陀堂と奥の院にお参り。この奥の院のご本尊が、先日奈良でお逢いした千手観音坐像さまですね。(※ 企画展『観音霊場の祈りと美』のこと。後先になりましたが、後日レポをアップします。この方もすごいです!)
下って、音羽の滝はもう観光客でいっぱい(^_^)。清水を汲む列には並ばずに、脇にいらっしゃる小角さんの石像にご挨拶だけさせてもらいました。
お寺を後にしてからは、久しぶりに2年坂3年坂をゆっくり散策し、円山公園を抜けて八坂神社にお参り。この辺りは京都でも好きな場所で、学生時分からよく訪れました。龍馬さんのお墓もこの付近にありますね。
清水寺ご本尊、十一面千手観音さま、予想をはるかに上回る、美しさとオーラでした……。この清水という地が、これだけ観光客の念を浴びながら清々しさを失わない理由が、分ったような気がいたしました。
その後も、何度か御開帳の期間はあったのですが、なんとなくもったいない気がして、お参りを控えました。次回は平成45年! この為だけにでも生き延びて(^_^)、ぜひもう一度お逢いしたいなあって思います。

十一面千手観音さま御影

清水寺ご朱印