※ これも二年前の見仏記です。今年のGWにも同様の御開帳がいくつかありますので、もし京都に来られる方はご参考になさって下さい。
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GWの中日。京都では、観光客をあてこんで、いろいろな宝物や秘仏がばしばし公開されとりまして、すっごく気になる催しもありましたので、疲れて寝ていたい欲求を振り切って(^_^)、頑張って行ってまいりました。
まずは京都盆地の東端、黒谷の地にあります金戒光明寺へ。こちらでは、庭園の特別公開と同時に、今まで秘仏であった文殊菩薩さまが公開されているとのこと。
バイクで出発し、東大路を北上して丸太町で右折。うちから約1時間ほどで到着。
このお寺、以前真如堂に紅葉を観に行った際、横を通ったことがあるのですが、門構えがかなり威圧的で、あまり良い印象を持っていませんでした。
ほとんど期待せずに、大きな山門を潜って、境内に入ります。
あれ? なんかええ感じかも。
侵入してみると、すごく雰囲気の良いお寺で、山門ごしに京の市街が眺められ、しばらくゆっくり景色を楽しんでしまいました。
靴を脱いで御影堂に入ると、いきなりお堂の左隅に、すごい方が居はるのが眼に飛び込んできます。
あまり観ないようにしつつ(^_^)、チラシを眺めたり、お堂の内部を観察したりして自分をじらしてから、拝観料を払ってそのすごい方、文殊菩薩さまの間近に。
き、きれ~&かっこいい~!!
ちょっとコミカルな獅子に乗られたそのお姿(2.8m)は、まさに凛々さ満点! 美輪さま似のしゅっとした男前で、体躯も柔和ながらも力強さがあり。運慶作と伝えられているそうですが、やっぱなかなかやりますねえ運慶(上から目線)。
半かで、右に宝剣、左に蓮の花を持たれたポーズ。秘仏であったからか、蓮の紅色をはじめ、まだまだ彩色は残っております。甲冑もめちゃ格好ええっす。もういろいろな距離、角度から眺めつくしましたが(^_^)、斜め前からのお顔がすごく優しくって好きでした。
もともとは、他所のお寺にいらしたのが、このお寺の三重の塔の本尊になってからはずっと秘仏で、この度、法然上人八百年遠忌法要を機に、公開に至ったとのこと。
この御遷座の為に須弥壇が造られ、渡海文殊形式の脇侍たちのうち、善財童子だけは新調されたということです。まだ新しいのに、違和感がないように汚しがいれられているのがちょっと可哀想でした。
次に、お堂右隅の吉備観音こと、千手観音さまを観賞。
直立でどっしりしして真っ黒なお姿、インドっぽくて、プリミティブな情感がありますね。先頃お写真のみ拝見した、ふだらく山寺の観音さまに感じが似てはります。 お顔のつきかたがちょっと独特で、ぽこっぽこって3段になっていて、今の十一面形式にまとまる前の形なのかしら。表情は、まあるくってとても穏やか。像高は2.6mで、わりと大きい方です。
この方は、「吉備観音」の呼び名の通り、かの吉備真備が唐より持ち帰った香木で、行基さんに造らせたという伝説が残るそうです。後注になりますが、今年放送された『大仏開眼』で、吉岡秀隆さんが真備を熱演されたばかりですので、それで真備ファンになられた方は必見仏ですかも(^_^)。光明寺には真備像も伝わっており、確かこの観音さまの近くにいらしたと思うのですが、2年前のことではっきり覚えてないです。ごめんなさい。
迫力のある虎が描かれた襖を鑑賞し、晴天の下、特別公開の庭園でゆっくり和ませていただき。一羽の青鷺さんがちょっと印象的な雰囲気でいらしたんですが、写真を撮ろうと邪念を出したら、すぐに飛んで行ってしまはりました(^_^)。
御影堂を出た後、阿弥陀堂の御本尊、阿弥陀如来さまに御対面。すごく雰囲気の優しい方でした。近くに寄りたいけど、こちらは堂内侵入禁止(^_^)。
こちらのお寺、境内の東側に三重の塔があって、塔に至るまでの丘陵がずっとお墓になってるんですが、その中に素敵な仏さんが居はるんです。
つづきます。ふふふ