春の熊野詣で 5 | 平井部

平井部

平井和正愛好部

神社仏閣巡りレポ
& ほめほめ雑記


 そんなこんなで、丸まる三時間かけて那智山をお参りして、再び愛車のビッツ君の元へ。チェックインまでは時間がありますので、少し周囲を観光することに。

 ちゃんとお昼を食べるには中途半端な時間でしたので、土産物屋で紀州名物のめはり寿司(3ケ400円)を買ってから、車で那智山スカイラインへ出発。
 数キロ離れた見晴し台に車を乗り入れると、い、いきなりすげ~っ!! 那智の山々に囲まれた勝浦の街から、広大な熊野灘まで、遥か見渡すことができます。この日はあいにくの曇天でしたが、全体に淡く滲んだ墨絵の世界みたいな感じで、神秘的でとっても綺麗でした。

ときめき見仏記



 絶景を眺めつつ、めはり寿司を頂きました(^_^)。寿司とは言っても、酢飯ではなく、刻んだ高菜を混ぜ込んだお握りを、さらに高菜で包んであるものですね。美味でした(^_^)。ちょっと忘れられない味になりましたね。

 さらに数キロ離れた妙法山阿弥陀寺で阿弥陀さまを拝観してから、ひとまずお山を下りて勝浦の街へ。
そんなにゆっくりする時間もありませんので、街を一回りした後、那智駅に隣接する温泉施設にて入浴することにしました。こちらの浴場は、海側の窓から、駅の向こうに広がる熊野灘を眺めることができます(といいましても、縁に腰掛けて足湯状態でないと外は見えないんですが(^_^))。微かに海の香りがするお湯も心地よかったですし、なかなかゆったりすることができましたですね。

 再びお山に登り、ほぼ予約の時間通りに、民宿に到着。
 こちら、施設は思っていたより小奇麗でしたが、宿の人の対応がちょっと残念な感じでしたので、名前は記さずにおきます(^_^;;。料理はまあまああ美味しかったですし、腹が立つってほどでもないのですが、もう二度と利用しないと思いますね。 ネット予約はなかなか難しいです。

ときめき見仏記



 予想していた雨は、僕が宿に着くのを見計らうかのように降り出しました。
 夕飯をいただいて、部屋でしばし休憩。朝の4時前に起きてから活動しっぱなしですから、さすがに疲れています(^_^)。「部屋から滝の見える宿」といううたい文句の通り、暗い山の中にうっすら白く浮かぶ滝をよく観ようと、窓を開けてみると、山間の冷気が容赦なく流れ込み、疲れた身体に染み込みます。雨もいよいよ本降りになってきた模様。

 もう疲れた……。休みたい……。と、心は弱音吐きまくりだったんですが、なぜか身体はすっと起き上がり、身支度をして外へ。傘をさしてすっかり暗くなった参道を歩き始めます。

 境内へ続く石段を登り始めた頃から、お山の霊気がぴりぴり感じられるようになりました。なんだか全身電気マッサージを受けているような心地よさ(^_^)。雨も少し勢いが弱まって、ちっとも不快ではなく、心地よいシャワーを浴びているような感じでした。
 まだ外灯はついておりましたので、迷うことなく神社に辿り着けました。う~ん、やっぱり夜参りは気持ち良いですねえ……。人の沢山居る昼間とは、神気がぜんぜん違います。

 拝殿でしばらくお祈りしてから、境内脇の見晴らし場から、彼方の暗い山容を眺めつつ、しばしのぼ~っとタイム(^_^)。あまり眼をこらさずにお山を観ていると、なんとはなしに霊気を感じられる気がしてきます。
 さらに、雨が舞い落ちる上空を見上げると、これもなんとはなしにですが(^_^)、エナジーがすごく活発に動いている感じがして、それは巨きな龍神さまが、楽しそうに舞い踊っているようにも感じられました。(すごーい巨きい人が中心にいらして、その周りを小さ目の人が何柱か、という感じでした)

 次いで、大滝方面を。こちらは、やはり雰囲気が柔らかくって、これもなんとはなしにですが(くどい)、やっぱり観音さまっぽい感じが致しました。
 かの裸形上人は、那智に漂着する際、海上から那智の滝が観え、思わず「ナーディ!(大河)」と叫んで、それが「那智」の語源になってという言い伝えですが、それだけではなくって、彼はこの那智の地から、天空へ向かって伸びる物凄いフォースを、確かに観たんだと思いますね。もしかしたら、ヤマトにはすごい所があるってことがインドにも伝わっていて、初めからすごい憧れを持って、この地に来はったのではないかなあ、なんて夢想も致します。

 夜参りを堪能してから、宿に戻り、お風呂で少し身体を温めて、響いてくる雨音と大滝の音に包まれながら、この日は就寝致しました。