未来の話

時代が、どんどん変わっていく…

俺たちは、昭和で時が止まってるけど、世の中は、どんどん未来に向かっていく…

ふと気が付けば、俺は、R31の専門店をもう22年もやっている。

22歳の時に、専門店を作って、気が付けば、もう44歳。

ちょうど、人生の半分が、R31になった。

こんなスカイラインだらけの人生で、途中で人生が不安になったか？と言われれば、なってないというと「ウソ」になると思う。

子供の頃に、レーシングカーを作りたいという「夢」があって、その「夢」を叶える為に車屋になって、それをずーとやり続けて、気が付けば、22年もたっていた。心は、子供のままで、年だけ44歳になったけど、俺は、いつまで「夢」を追い、いつになったら、俺は大人になるんだろう？と思うこともある。

大人になれないことが不安なのか？といえば、それは違う。

もしも俺が立派な大人になったら、こんなR31の専門店みたいなイカれた車屋なんか、出来るわけがない。

俺が、正真正銘の「バカ」だから、こんな「子供の頃にみた夢」のような車屋が迷いもなく出来るだけで、普通の人が普通の神経をしていたら、さすがにびびって出来るわけがないと思う。

「よくR31の専門店が成り立つね」といろいろな人に言われるけど、全くほめられている気がしないのは、「そんな専門店、どうせいつか潰れるわ」と、本当に呆られているからだと思う（笑）

しかし、22年もR31の専門店が成り立ってしまったのは、そこに”需要”があったからであって、これから未来も今までのように成り立つかどうかも、そこに”需要”があるかどうかだけだと思う。

ブルーハーツが、”リンダリンダ”を歌い、プリンセスプリンセスが、”世界でいちばん熱い夏”を歌っていた頃…

いつまでも、変わらない、未来があると思ってた。

ここ数年、IOT、AI（人工知能）、ロボットが、急速に発展し、何百年も未来だと思っていた未来が、すぐそこにきていることに、最近、不安を感じることがあります。

ルノー

プジョー

ベンツ

トヨタ

フォルクスワーゲン

ホンダ

イタリアのラッザリーニデザイン社

いよいよ、AIが進化し、自動運転が本格化し、電気自動車だらけになり、いよいよ車も空を飛びます。

20年後の2040年には、ほとんどの車が自動運転になっており、交通事故が90％なくなり、車の修理という仕事はなくなると言われており、町の車屋さんの出番は、もうありません。

現在、世界中の車メーカーが、生き残りをかけ、自動運転や電気自動車の開発をおそろしい勢いでやっております。

私は、22年間、R31ばっかりやっていたら、すっかり時代に取り残されてしまいました。

いつまでも変わらないと思っていた未来が、”変わるんですよ！”、と言われたとき、それを受け入れられない自分がそこにいます。

今年のオートサロンで、R31の新型を発表しました。

ついに完成した、1000馬力のR31のレーシングカー！

そして、ワークスマシンです！

かっこいいR31を作りたい、その想いだけで生きてきましたが…

時代は確実に未来に向かっています。

そして、あきらかに、俺の目指している未来とズレています。

俺がうっすら感じている不安の正体は、もしかしたら、このズレに気がついてしまったからでしょうか？（遅）

新車から30年も経過している古い車を、最新型とかいってカスタムして、東京オートサロンに出展するとか、それを実行にうつしてしまうという行動力が、我ながら正気の沙汰じゃないと思います。

20年後、俺が64歳になっている時、自動運転な車ばっかりになっている時代に、それでもなお”R31はかっこいい”と言って、R31の専門店をやっていたら…、まわりが未来に向かって生きていく中で、俺は好きなことだけをやって生きていくんだ！と、そう強い信念をもって生きているなら…、バカもそこまでいけば大したもんだと、自分自身を尊敬をすると思います（笑）

20年後に、そんな生き方が、まかり通るのか？（笑）

ここからは、俺の考える未来の話です。

古い車を扱うショップも、今、分岐点を迎えていると思います。

１．中古車の数が年々減っており、そこに海外への流出が加わり、日本国内の中古車の数が激減している。売りたくても売る車がない状態。

２．メーカーが部品を廃盤にするので、重要な部品がなくて修理が出来なくなって、走れなくなっている車が増えている。修理したくても出来ない現状。

３．今後も規制が変わり、車検が受からなくなる。

この時代の流れと、部品のこと、法律で、もしかしたら、20年後、古い車の専門店をやってるのが、もしかしたら、俺だけになっているじゃないか？と最近、真剣に思うことがあります。

20年後の未来に、自動運転の車を横目に見ながら、普通になんにも問題なく走ってるのが、R31だけになるんじゃないか？と思うことがあります。（他の車がどんどん絶滅していって…。）

なぜなら、この国で、何千人ものユーザーが乗っていけるだけの、向こう20年分の部品のストックをしているのが、俺しかいないからです。しかも、廃盤になって困る部品をかっぱしから金型から作って、復刻している人も、俺の知る限り俺しかいません。

俺は、めちゃくちゃ適当な性格だったので、適当にＲ３１を集めていましたが、今となって、結果的にラッキーでしたが、もしも、俺がちゃんとした大人だったら、こんなにR31を集めたりしないでしょうから、本当にクソな俺でよかったと思います。

今度のノスタルジック２Ｄay'sで、俺は新型の「たこあし」を発表します。ＲＢが最高の音が奏でられる「たこあし」を作りました！

この時代に、ＲＢの新型たこあしを発表するとか、脳みそクルクルパーとしか思えません！

それに、俺の作った鍛造タービンを組み合わせると、加速もサウンドも最高だぜ！

とか、この無音の時代に爆音とか、もうクソすぎる思考回路が末期です！どんどん時代とズレています。

そして、その部品を今か今かと心から待っている、愛すべき客たちが沢山います（笑）

うちのお客さんたちも、さすが、こんな専門店に何十年も付きあってるので、お客さんたちもイカれちゃっています！

どんな未来がこようとも”R31がかっこいい”その想いが変わることなく、R31に乗るすべての人を守っていけるなら、もしかしたら、20年後も、R31の専門店として、生きているかもしれません。

この先、時代がどんどん進化し、いろいろ大丈夫だろうか？と、不安に思うことがあったとしても…

自動で動く車なんて、車じゃねぇ。脳みそがとろけるようなサウンドを奏でない車で、何を感じろってんだ？

自動運転上等じゃ！自動運転の車の中を、昭和の車がパイーンって言いながら走ってやるぜ！

そんな気持ちで、未来を生きていく覚悟が俺にはあります。

世の中が、どうなろうが、知らん！

今から20年後の、2040年、俺と一緒にR31で走れるやつが、どれだけいる？

どんな未来がこようとも、自分のバカさだけを信じて生きていきます。

うちのスタッフ、総勢20人も、こんな俺を信じてついてきてくれます。

みなさんも、どんな未来がこようとも、大好きなスカイラインに乗り続けてください。

これから、R31を買おうとしている人がいるとしたら、未来永劫サポート可能な「R31HOUSE」で買うことをお勧めします。

古い車は、面倒見てくれる人と部品がなければ乗れません。

さすがに、専門店を22年もやってきましたので、自信をもって、R31HOUSEをおすすめできると、宣言できます。

この地球上で、俺以上に、面倒見れる人はいないと思うからです(^^)

ということで、俺の大好きな浜田麻里の「Return To Myself」で、今日はお別れしたいと思います！