なんか保存したら🧸が消えた



リクエストありがとうございます!


なんか前にも書いたっけ、こんな感じ

覚えてないや笑








「ひーかーるーちゃんっ!」

「え、何で来たの?笑」

「ねーきっも」

「席ないよ〜。ほら、帰った帰った」


耐えて、耐えて、耐えた。
反論したら負けだって。


でもそれは反論も手出しもできない弱い自分を隠してるだけなんだって、最近気がついた


先生にも相談できないし、友達もいない


お母さんに現状を伝えたらどれだけ悲しむことか、
それを考えただけで心の底から申し訳なくなる


「もりたー、昼休み体育館な」
「来ないとかないよね〜」

女子校特有のネチネチとした関係がそこら中にあって、
でもどれにも属したくなくてずっと一人でいた


その結果がこれだ



人のことを笑いものにして何が楽しいんだ、って気がつく人はいないのだろうか

みんな頭や心が腐って人間じゃなくなったのだろうか


たくさん考えても結局分からない
そうやっていじめをする人の心情が読めない


「あ、来てくれたんだ」
「今日は何で遊ぼうか」

ひかる 「…」

「黙らないでよ〜、スベったみたいになるじゃん」

ひかる 「…」

「お、バレーボールあるよ?」
「久しぶりにやろうよ〜体育の授業以来だね!」


私以外の数人がボールをつき、パスを回し始めた

バレー部の子を筆頭にボールが繋がっていく


まぁそれが当たり前のように私に向かって飛んでくるのだ


ひかる 「いっ、て...」

「やっと喋ったよ」
「人形じゃないんだからよ、喋れよ、な?」

ひかる 「…」

「まーただんまりしちゃって、当てないと喋んないんじゃ話にならないでしょってね笑」


口答えをしたら負けだから

私は無言でボールが飛んでくるのに耐えた


頭に当たって、顔に当たって、

タラタラと赤いものが滴り落ちてきて、制服をどんどん汚していく

いつもみたいに痣だらけになるんだろうなって思ってた





『ガチャッ』


?「ちょっ、バレーボール勝手に使わんとっ...」
   「…え、、?」

急に体育準備室から出てきた彼女は私といじめっ子を交互に見て口をパクパクさせている


「あ!!ほのちゃん!!」
「私のこと覚えてる!?入学式の時話したよね!?」
「私も私も!」



なんだ、彼女もそっち側か

見るからに人気者そうな綺麗な容姿をしていて、でも他を寄せ付けない雰囲気を醸し出している

その眼中に入るためにいじめっ子は我を忘れてアピールしている

なんて下品な光景なのだろうか

グループに属して、人気者と友達で、人をいじめないと生きていけないのだろうか



保乃 「っと、待って待って」
       「え?大丈夫やないよな?」


目を丸くさせてこちらに向かってくる彼女はこれから何をしてくるのか

1回気を引かせて、また罵って嘲笑うのだろうか


無意識にも身体中が震え上がる


「ほのちゃんもさ!一緒にやろ!」
「ほら!エースじゃん!打ってよ!スパイク!」
「それに向かってさ!」


保乃 「...何考えてんの?」
       「ごめん、ほんまにわからんわ」
       「誰かも知らんし、こんなことする意味もわからん」

「…?」

保乃 「何?この子傷つけて楽しかったん?」
       「自分より下の人って勝手に思い込んで優越感に浸ってたん?」
       「アホやし馬鹿やし残念やな」

「違う違う、こいつがさ、」

保乃 「そんな感じで言い訳するんか、だっさいなぁ笑
       「まぁいいや、話通じんのならいいや」


私の思い違いじゃなかったら彼女は私のことを守ってくれている

しかも、全力で。


保乃 「鼻血出てるって、やばいやばい
       「これ、ハンカチあてとくな?」
       「大丈夫?ほか痛いとこない?」

ひかる 「...大丈夫、です」

保乃 「よし、ほな保健室行こ」


彼女は私の腕を引いて歩き出した


保乃 「やったこと以上のこと保乃がしたるから楽しみに待っとってなぁ〜」

去り際にいじめっ子にそう伝えて_____。






先生 「あらら、一旦座って座って」
       「鼻血は止まった?」

ひかる 「、はい」

先生 「上向いて」
       「あー、大丈夫かな」

保乃 「ちょっと職員室行ってきまーす」
       「またすぐ戻ってくるんで!」


今のところ下の名前しか知らない、私にとっては「他人」の立ち位置に属するその子はおかしいぐらいに優しかった


先生 「大丈夫。保乃ちゃんがきちんと説明してくれるからね」
       「頭とか打ってない?痛くない?」

ひかる 「大丈夫です」

先生 「強がっちゃダメだからね」
       「もう1人じゃないよ」


ズタズタでボロボロの心に淡々とした言葉がどんどん刺さっていく

意図してないのかもしれないけど、私にとっては嬉しかった


保乃 「ただいまです!」

先生 「大丈夫だった?」

保乃 「へへ〜、退学処置だって」
      
ひかる 「…え?」

保乃 「怪我大丈夫やった?」
       「ほんま焦ってん、倉庫片付けて出たら鼻血出てるから」

ひかる 「あぁ、うん...その、、」

保乃 「名前なんて言うん?」
       「何組?」

ひかる 「っと、森田ひかるって言います...。2組の、」

保乃 「お!隣のクラスやな!」
       「よろしくな〜1組の田村保乃です!」


眩しいぐらいの笑顔で自己紹介をしてくれた田村さんは、聞けばバレーボールがとても上手らしい

学校にも推薦で入ったとか、、。  


先生 「もうちょっと様子見よっか」
       「そして、もう今日は帰ろ」 

保乃 「え〜ひいちゃんいいなぁ」

先生 「ん?誰?」

保乃 「え?ひいちゃん」
       「森田ひかるのひいちゃん」

ひかる 「...?」

保乃 「いいあだ名やろ〜」
       「保乃控えめに言って天才枠やからさ!」


知らぬ間にあだ名まで付けられて、手まで握られて、

でも嫌じゃなかった。

嬉しかった。


あだ名を付けられるのも手を握られるのも初めてで、
本当に嬉しかった


ひかる 「田村さん、」

保乃 「保乃」

ひかる 「え?」

保乃 「堅いねん!友達やろ?」
       「保乃って呼んでや」

ひかる 「でも…」

保乃 「保乃ひいちゃんのこと好きやで」
       「やから呼んでほしいなぁ」

ひかる 「...保乃、、ちゃん」

保乃 「ふふっ、いいやん。可愛い」
       「これからはお友達」

ひかる 「…いいの?」

保乃 「もちろん!」
       「一緒お昼食べて、いっぱいお話して、部活ない日は一緒帰ろ!」


嬉しくて泣きそうだった

 泣いたらダサいから絶対泣かないって決めて、
精一杯の笑顔で頷いた








そんなことがあって、今はもう2年生

保乃ちゃんとは晴れて同じクラスになって、周りからはニコイチだ!なんて言われるぐらいに仲が良くなった

私たちは対照的で、一緒なところは勉強が苦手ってところぐらいで、

友達の数も運動神経の良さも保乃ちゃんが圧倒的な差をつけて勝利だ


でも負けてる分、保乃ちゃんは私のことを守ってくれる

そんな保乃ちゃんが大好きだ



どんなスーパーマンより強くて優しくてかっこいい保乃ちゃんが大好きだ。