立春歌舞伎特別公演
2月9日(日) 昼の部
会場:大阪松竹座
開演 11時分~終演 3時25分
観覧場所 3列中央上手
①本朝荷廿四孝 11:00~11:50
(十種香) 幕間 30分
②恋飛脚大和往来 12:20〰1:40
(封印切) 幕間 25分
③幸助餅 2:05〰3:25
あらすじ
①八重垣姫の一途な恋心を描いた時代物の名作
武田勝頼(虎之介)は、足利将軍暗殺の真犯人を捜し出すことが出来ず切腹。
その許婚であった長尾謙信(鴈治郎)の息女の八重垣姫(扇雀)が、菩提を弔っているところへ、勝頼に瓜二つの男が現れる。
八重垣姫は腰元の濡衣(壱太郎)に恋の仲立ちを頼むが、花づくりの簑作と名のるその男こそ、実は本物の武田勝頼。
長尾家から奪われた兜をとり返すために姿を変えていた。
やがて謙信は、勝頼を亡き者にしようと白須賀六郎(團子)を追っ手に差し向ける。
「十種香」は全五段の義太夫狂言『本朝廿四孝』の四段目にあたり、錦絵のような美しさを堪能できるひと幕。
②実話に基づく悲恋を描く上方和事の代表作
飛脚問屋亀屋の養子忠兵衛(獅童)は、井筒屋の遊女梅川(壱太郎)と深い仲。
身請けの手付金を払ったものの、後金の工面ができずにいるところへ、梅川に横恋慕する飛脚仲間の丹波屋八右衛門(鴈治郎)が現れ、梅川を身請けすると言い出す。
八右衛門と言い争ううちに、忠兵衛は武家屋敷へ届けるために預かった公金300両を、身請け金だと言って、金包みの封印を切ってしまう。
公金の封印を切れば、死罪は確実。覚悟を極めた忠兵衛は、その金で梅川を身請けすると、二人で落ち延びていく。
近松門左衛門『冥途の飛脚』が原作の、悲劇的な結末が胸を打つ上方和事の代表作。
③相撲好きの若旦那と贔屓力士との友情が心を打つ上方喜劇
大坂で指折りの餅米問屋大黒屋の幸助(鴈治郎)は、雷(いかづち)(中車)という力士を贔屓に入れ揚げ店を潰し落ちぶれている。
ついには妹のお袖(虎之介)を身売りさせるほど切迫するが、その金30両で店を再興しようと。
しかし、帰り道、大関となって見違えるほど立派になった雷と再会。
感謝を口にする雷に、大事なお金を祝儀と言って渡してしまう。
このことを知った女房おきみらは、雷に30両を返してもらおうとするが、雷は拒絶。
数年たち、お袖も身を落とさず、幸助は店を構え、幸助餅が大ヒット。
2度目の30両、さらには各所への宣伝は雷の誠意であった。
松竹新喜劇の傑作を、翫雀時代に鴈治郎が歌舞伎の世話物として再構築した作品、人情味にあふれ心温まる物語
感想
①舞台上は中央に居間、左右に小部屋。
始まりは、中央から、暖簾を押し上げ、長袴姿の虎ちゃんが、中央居間に座り、自分の身の上を話す。
赤い花柄の模様の着物姿が鮮やかで美しい
そして、左小部屋には腰元→右手には八重垣姫で順次語りだす。
その間、虎ちゃんは、中央居間の階段3段目位に、右足をかけ、長袴が下へと垂れている。
この姿で、ビクともせず、15分ほど
額縁の絵のように美しい
やがて、八重垣姫と会うが、ちょっと年齢差が……
團子ちゃんは、追っ手の悪役で、隈取があり、高身長なので、舞踏も迫力あり
やはり、オーラ半端なし
②封印切は何度も拝見。
主に、鴈治郎&扇雀コンビ。
今回、忠兵衛を愛之助さんが演じるとの事で楽しみにしていたが、代役で獅童さん。
ちょっと、ガタイがガッチリしすぎて繊細さというか、色気が…
(惠ちゃんだと、ピッタリ、座長公演でやって欲しい)
③中車さん、関取役、姿形に迫力があって、声もどすこい感があり、素晴らしい
40代から歌舞伎役者になられて、最初はぎこちなく、声も弱かったが、凄い上達にビックリ
これから、歌舞伎界になくてはならない存在になりそう。
流石、團子ちゃんのお父様
さて、虎ちゃんの女方は大好きだけど、娘役は可愛すぎて
やはり、花魁とか、お化け(播州皿屋敷)とか、クセ強めが好み。
今回、立役に色気が出てきたなあ、大人になったなあと
公式サイト
劇場入り口
自席より
終演後