コクーン歌舞伎「天日坊」
2月21日(月)夜の部
会場:渋谷シアターコクーン
開演:17時45分~20時40分(幕間20分)
観覧場所 A列中央上手(実質3列)
2月22日(火)昼の部
開演 13時~15時55分
観覧場所 XC列中央下手(実質2列)
あらすじ
源頼朝に討たれた木曽義仲の死後、都に化け猫が出没。
猫間中納言は、娘が木曽義仲の妻であったため、謀反の疑いをかけられ自害。
その怨霊が帝の愛猫に憑依した。
それを、北条時貞(中村虎之介)と修験者の観音院が撃つ。
その観音院の弟子が法策(中村勘九郎)で孤児。
その褒美に、時貞は高窓太夫(中村鶴松)を身受け、観音院には300両。
法策は、下働きのお三婆さんに、娘が源頼朝の息子を生んだが、二人とも
死んで、ご落胤の証拠の品があると。
法策は、その品を奪い殺害し、ご落胤になろうとする。
その頃、観音院は、巡礼のおかん(中村七之助)に殺害される。
実はこのおかんは、女盗賊の人丸お六で、木曽義仲方。
また、盗賊の地雷太郎(中村獅童)も同じ、二人は夫婦となり謀反を起こそうと。
法策は、落胤の証拠を奪われ、捉えられて港から船に乗せられる。
その船には北条時貞と高窓太夫も乗っている。
法策は、その前に高窓太夫の弟も殺し、その弟にもなりすまし、100両をせしめるが、見破られ、海へ。
かたや、鎌倉へ向かう高窓太夫は、お六と地雷太郎に殺害される。
傷口からは、男の子が生まれ、呆然と時貞が抱き上げる。
やがて、法策が、腕の「天」のアザで、木曽義仲の嫡男と判明。
頼朝を撃つため、ご落胤の天日坊と偽り、法策、地雷太郎、お六が乗り込むが、バレて殺されてしまう。
ラスト、法策がネコを抱き茫然自失のシーンで終わる。
感想
①最初は「天一坊」のパロディかと思ったら、河竹黙阿弥の原作
宮藤官九郎さん脚本。
10年前に初演、今回は30分短いとの事だが、休憩入れて約3時間。
②21日の夜の部は、プログラムを読んでも、一人が幾つもの人物になり、ややこしい
2回見て、物語の最初から伏線が張られている事に気づき、納得
2回見て、その奥深さを知り、感動
③「じゃねえ?」「ちょ~待てよ!」の現代語が最初はなじまなかったが、歌舞伎はこうあるべきとの先入観だと気付いた。
「俺は誰だあっ!」何か、現代人への問いかけにも似て、心がざわつく。
④勘九郎さんの演技、七之助さんの立ち回り、お見事でした
笹野高史さんのお三婆さん、大笑いで滅茶苦茶上手い
扇雀さんも、下男と侍の二役。
顔が大きく華やかなので、男役の方が似合っていて、上手いなあと。
⑤虎之介さんの若武者姿、化け猫に弓を射る姿、カッコイイ
しかし、高窓太夫より、顔が小さく可愛くて美しすぎる
コケティッシュな演技、いたずらっ子な女の子みたい
しかし、子を抱く場面、哀れで思わず、拍手。
21日は、そこで暗転になるので、タイミングで拍手出来ず。
誰も拍手せず
22日は、満を持して、大拍手、すると拍手の連鎖
虎之介さん、前日より演技に深みを増していた
その他
扇雀さんの番頭さんに、虎之介さんの「義経千本桜」が見たいと言うと、他のお兄さん方もまだなので・・・との事。
しかし、子狐の役は若くて運動能力がある今が一番だと思うのですが
欄干の綱渡り、どんでん返し、華奢で体幹のある虎之介さんなら最高